そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

年末年始に観た映画

ちょっと間があいちゃって本数あるんでザーッと。


ジョン・ウィック

ジョン・ウィック(字幕版)

ジョン・ウィック(字幕版)

キアヌ・リーブス演じる元殺し屋が、ロシアン・マフィア相手に大暴れ!

本作は何と言っても銃撃に打撃・関節・投げを組み合わせたガンフーが見所。

銃撃と格闘を組み合わせといえばガン=カタが思い出されるところだが、 あちらとは違い派手さを抑えた地に足の付いたアクションとなっている。

リベリオン-反逆者- [Blu-ray]

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だが、派手さが無い=迫力がないわけではない。

小さく緩慢な動きながら的確に敵の戦闘力を削ぎ、 そして残弾数を把握しながら一人に二発ずつの銃撃で確実に仕留めていく。

その職人じみた所作がなんともいえぬ説得力をもって映るのだ。


また、アクション以外では裏社会の設定が面白い。

裏社会で独自の通貨としてやりとりされるコイン、戦闘は御法度な中立地帯のホテル、仕事人同士の奇妙な絆。

続編の話もちらほら見かけるけど、このへんの設定が上手く活かされると面白そうだな。


ジャッキー・コーガン

賭場荒らしを始末をつけるため、ブラット・ピット演じる殺し屋が右往左往。

ポスター宣伝なんかだとスタイリッシュに悪人を裁いて回る映画にも見えてしまうが・・・

チンピラの稚拙な犯行にアコギな賭場の仕切り、まるで仕事のできない同僚にケチな組織上層部と、 「スタイリッシュ」とは程遠いグダグダした世界の中で、 BGMにしつこいぐらいに政治経済のラジオニュースを流しながらウンザリ顔で始末をつけて回る。

批評なんかみるまでもなく、 あからさまにアメリカの政治経済を透かした作品なのだ。

好意的にいえば『ファーゴ』とか『さらば青春の光』とか『バッファロー'66』みたいな不協和音を楽しむ物語なわけだけど、 演出がうるさすぎる印象が強くて、 観終わった時に観客としての「快」につながる部分が無いのが辛いなーというのが率直な感想。

ファーゴ (字幕版)

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さらば青春の光 [DVD]

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バッファロー'66 (字幕版)

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るろうに剣心 3部作

るろうに剣心

るろうに剣心

るろうに剣心 京都大火編

るろうに剣心 京都大火編

一作目は名画座の二本立てで観てて、実のところ途中で寝てしまってあまり良い印象が無かったんだけど、 なるほどちゃんと見るとアクションのキレは凡百のアニメ実写化とは違う凄みがありますな。

どシリアスに見るにはちょっと白けてしまう場面があるのが残念ではあるけど、 原作ファンにも嬉しい要素がかなり盛り込まれているのも良い。


スティーブ・ジョブズ映画2本

『STEVES』読んだついでということでスティーブ・ジョブス映画を2本。

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まずは2013年のアシュトン・カッチャー主演の方。

関係者には酷評されてるし、話の流れもしっちゃかめっちゃか・・・ではあるんだけど、 唯一アシュトン演じるスティーブ・ジョブスのそっくり具合だけはすごいと言わざるをえない。


次は2015年版。

ちょうど『STEVES』の最終回であるMacintoshの発表から始まる。

卓越したプレゼンテーターであり、周囲に嫌われずにはいられない人格破綻者であり、そして父であるジョブスが描かれる。

今ひとつドラマとしては乗り切れない感じはあるけど、こっちはウォズニアック氏には絶賛されているっぽい。


ジャンゴ 繋がれざる者

21世紀的にアップデートされた西部劇。

ジャンゴとシュルツの奇妙な友情と妻を取り戻すために何物をも犠牲にする固い決意、 きっちり悪人をぶちのめす爽快さにあっという間の2時間半だった。

そんなわけで何も考えずに見る分には非常に楽しい一本なんだけど、 ちょっと立ち止まって考えると「あれ、もっと穏便に解決できたんじゃ?」「あれ、その攻撃に妥当性は?」と思う箇所もある。


リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード

落ちこぼれ達が時に失敗し仲違いしながら、 己の欠点を認めて互いの長所で助け合って苦難に立ち向かう。

教科書どおりといえばそれまでな筋書きではあるが、 馴染みやすい絵柄や小気味よいテンポで観ていて楽しい作品だった。

スーシィの憎まれ口を叩きながらも暖かく友人を見守る感じは良いね。

今やってるTVシリーズも楽しみ。(また例によって期待値が高いから逆に観れてない状態なんだけども)


南極料理人

南極料理人

南極料理人

舞台はペンギンもアザラシもウイルスもいない南極ドームふじ観測拠点。 狭い建物と極限環境の中でのむさ苦しいおっさん達のシュールな日常。

ともすれば退屈な仕事、家族や恋人と遠く離れたつらい職場だが、 そこでせめてもの癒やしにと奮闘する料理人の姿が面白い。


イーグル・アイ

イーグル・アイ (字幕版)

イーグル・アイ (字幕版)

国家を維持するため、人工知能が個人を罠にはめる。

描写はせいぜいHALレベルの陳腐なものではあるんだけど、 情報機器が溢れる21世紀においては狭い宇宙船の中ではなく広い外の世界でも監視されコントロールされうる感じは面白い。


アメリカン・ビューティー

年甲斐もなく娘の親友に欲情する父、 誇大な上昇欲とままならぬ現実にゆれる情緒不安定な母、 思春期のコンプレックスを抱えた娘。

登場人物の誰もが自らのあり方を見失い、 そして破滅へと突き進んでいく。

以前に『アメリカン・サイコ』を見た時ついでに本作の概要も目に入っていたので、 ひたすら救いのない病的な物語なのだろうとは思っていたのだが、 バッドエンドながらも一筋の救いのある終わり方だったのが妙に心に残った。

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登場人物はどいつもこいつも自分のことしか頭にないくせに一丁前に他人を型にはめようとする本当に碌でもない人達なんだけど、 それでも最後にモラルや愛を思い出すところに、 単に皮肉なだけの物語ではない魅力を感じた。

祝・予約、Nintendo Switchに期待することなど。

予約したぜイエーイ

印象の変遷、「奇抜さに欠ける」→「新しさを強要されない」

Nintendo Switchの発表当初は、僕は正直なところあまりピンと来なかった。

マリオもスプラトゥーンも!NX改め「Nintendo Switch」の発売タイトルと参入会社 - Engadget Japanese

携帯機と据置機のハイブリッドって噂は本当だったかー。確かに最近は携帯機でもスペック高いし、分離可能なコントローラの使い方は面白そうだけど、アレもコレもなデザインには若干の不安感。

2016/10/21 01:14

「携帯機でありながら据置機」というコンセプトにはサイズとスペックの虻蜂取らず感があり、 コントローラ周りはギミッキーで任天堂ハードらしい頑丈さが損なわれていそうに見え、 その割に「このハードならではの新機軸」みたいなものが見えなかった。

となると実質はハイエンドなタブレットでしかなく、 市場には既にiPadやAndroidタブレットがありゲームも数多くリリースされている中で、 「コントローラ付きタブレット」以上の何かは期待できないのではないかと思っていた。

もっと言えばSheildタブレットの使い回しであり、任天堂らしい「新しい遊びの提案」への期待からすると若干の失望感もあった。

また、価格帯もかなり高めになるんじゃないかと予想していた。


だが、しばらく時間が経ちタイトルやハードの情報が出回ってくる中で、 僕の中でいくらか考えが変わってきた部分があった。

単なるSheildタブレットの使い回しということは、 裏をかえせば標準的なアーキテクチャでゲーム開発できるということであり、 画面が2つあったり珍奇なコントローラを強要されたりといったことが無く、 サードパーティが参入しやすいのではないか。

加えて普通のタブレットとは異なり標準的なコントローラがあり、 ハードウェアのスペックは固定されていて、 そして任天堂のプラットフォームがあることで、 十分に本気度の高いタイトルが供給されうるのではないか。

これまでの任天堂ハードのような「新しさ」を強要されないのがむしろ良い方向に作用するのではないかと思えてきた。


そして一見プレーンなゲーム機に見えるが、 実は色々な機能が備わっているコントローラも興味深い。

タブレットにワイヤレスなモーションコントローラという構成は、 GoogleのDaydream的なタブレットをヘッドセットに固定する方式のVRなんかもありえるんじゃないかと期待させられる。

Wiiなんかをみるとコンソールゲームではせっかくの高機能なコントローラが持て余されている印象が強かったが、 VRでは価値が出てくるのではないかと思えた。


そんなわけで徐々に僕の中で「買ってもいいかも」「いや買ってみたい」となり、 案外手を出しやすい価格帯だったことも手伝って、 今回は予約合戦に参戦してみることにした。

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いろいろとものが増えてきたのでPSVRスタンド買ってみた

PSVRを購入し、家庭教師業に勤しんでいる今日この頃。

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ただでさえゲーム機のコントローラなんかは床に放置しがちだし、 その上かさばるヘッドセットにヘッドホンにMoveコントローラと、 PSVRは何かと周辺機器が多くて置き場に困ってしまう。

さすがに生活スペースが侵食されすぎだなということで、 収納グッズに手を出してみることにした。

Amazonを物色しているといくつか種類がひっかかるものの、 コントローラ・Move・PSVR・ヘッドホンと個人的に収納したいと思っているものに十分で、 なおかつ横方向が省スペースで安価な↓を買ってみた。

(一時はアホみたいに高いやつばかり出回ってたんだけど、そろそろ熟れてきたみたい)

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3DS『マリオテニス オープン』感想

前の記事とバランスを取ろうとかそういうのではないんだけど、 書き時が見当たらなかったのでここいらで。


僕はNintendo64が直撃の世代だったりする。

小学生の時分には放課後ともなると友達の家に集まってゲームに興じたりしたのも懐かしい。

マリカーやスマブラやスターフォックスやゴールデンアイなど色々なジャンルのゲームがあったが、 そんな思い出深いタイトルの一つがマリオテニスだったりする。

9月に3DSを買ってはみたもののゼノブレイドもクリアしちゃったし、 何か他のものを買ってみようと思って物色していたところ、 マリオテニスが廉価版のラインナップに入ったということで買ってみたのだが・・・

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「高っけぇwww」みたいなコメントを見ると少し悲しくなるという話

今日はNintendo Switchの発売日・価格が発表があった。

ハードウェア的にはハイエンドタブレット+αみたいな認識だったので、 個人的には3万円弱という価格設定は安いなと感じんだけど、 どうやら世間的にはこれを高いという人も少なからずいるようだ。

同じようなことは前のPSVRの時にもあって、 PCでVRを楽しむには本体を含めると20~30万は覚悟しなきゃいけないことを顧みればかなり頑張った価格設定であるにもかかわらず、 「高い」というコメントが目につく時期もあった。

そういうコメントを見るたびに、僕はなんだか少し悲しい気持ちになってしまう。


もちろん家庭の財政状況はそれぞれで個々人にとって相対的に高い安いというのはあるだろうけど、 それはそれとしてモノとしての価値を考えると十分に戦略的な値付けになっているわけで、 そういう相場観やら何やらをまるっと無視して決まり文句のように吐き捨てる態度にはある種の下劣さを感じてしまう。

(子供ならともかく、いい年した大人がそういうことを言うのはちょっと辛いものがあると思うんだ)

おっさんのノスタルジーでしかないのかもしれないけど、 「最新のゲーム機」というのは元々それなりに値の張るもので、 それでもそれがどんな未来を見せてくれるんだろうってワクワクしながらなけなしの貯金握りしめて買いに行くものだと思う。

(ちなみに今個人的にそういう感覚を一番喚起させられるのがHoloLensで、これが欲しいがために仕事がんばろうと思っていたりする)

そういうロマンが失われてきているのか、 あるいは僕が認識してるよりも更に世間の貧困化が進行してしまっているのかは分からないけれど、 どうしても国としての衰退みたいなものが感じられて、ちょっと悲しくなってしまうのだ。

『傷物語 冷血篇』感想

前2作が「うーん・・・」て感じの出来だったので半ば惰性で観に行ったんだけど、 結果的に言えばなかなか楽しめたし、そう悪くはなかったんじゃないかと思う。

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もちろん前作までと同様に尺を持て余してるなーとか原作未読だと伝わらなそうだなーとか感じた部分もあるのだけれど、 モノローグがあったりコミカルな場面をコミカルに描写したりと前2作でちょっと厳しいなと思った部分が改善されていて見やすくなった気がする。 (それは挑戦をやめてこれまでの物語シリーズに寄せたということなのかもしれないけど)

何より良かったと思うのが、 「絵の力」が効果的に作用していたこと。 (これまではちょっとアバンギャルドな方向に振りすぎて空回っているように思えていた)

キスショットとの官能的な雰囲気すらある交流にはその裏側の好意が感じられたし、 だからこそ、その直後の凄惨で破滅的な対決には心を揺さぶられるものがあった。


「傷つきたくも傷つけられたくもないから他人と係わらない」スタンスだった阿良々木暦が、 傷つけ・傷つきながらも皆が係わり合い生き残る、曖昧で不確かで優しい選択肢を選び取る。

僕は以前に『憑物語』でシリーズを「けりをつけない」「予定調和を否定する」といった物語性に抗う物語だと感じたのだけれど、 思えば本作なんかはその最たるものかもしれない。

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アニメーションの圧倒的な表現力も手伝って、僕が『傷物語』という物語が好きであることを再認識させられた。 

傷物語 涜葬版

傷物語 涜葬版

でもやっぱり劇場3部作にできる分量じゃなかったと思うんだよね・・・長めの1本か前後編か、もしくはOVAみたいな形でもっと話の密度を上げるべきだったと思う。

『七胴落とし』感想

人はなにをもって「大人」になるのだろうか。

30代に差し掛かったせいか、あるいは成人式の季節だからだろうか、 ふとそんなことを考える。

義務教育を終える、タバコを吸えるようになる、酒を飲めるようになる、選挙権を得る、就職をする・・・

様々に社会的な区切りはつけられているけれど、その時々で綺麗さっぱり切り替わったようなイメージはない。

だが、振り返ってみれば確かに今の自分のメンタリティは10代の頃のそれとは明らかに違うナニモノかに変質してしまっている。


七胴落とし (ハヤカワ文庫 JA 167)

七胴落とし (ハヤカワ文庫 JA 167)

さて、今回読んだ『七胴落とし』はそんな大人と子供との境界が明確に存在する世界を描いた小説である。

子供は感能力を持ち、子供同士でしか通じない念話をし、時にその力で傷つけあう。

だがその力はいつしか失われ、そして自分自身にそれがあったことすら忘れてしまう。

子供の狭い世界観や無闇な万能感のメタファーとして超能力を用いているのだ。

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