放映のリアルタイムではテレビっ子じゃなかったのでそこまでしっかりと観ていたわけではないけれど、断片的に観た話は強烈に印象に残っている。盗作問題などを知ってしまった今となってはあまり無邪気に好きだとは言いにくいが、それでも当時惹かれるものがあったのも事実なわけで、今回の2017も観ないわけにはいかなかった。
20年の時を経た少年たち。夢を叶えた者もいれば冴えない日々を過ごす者もいて、僕自身の年齢もあって単純にその情景だけで感じ入るものがある。ただ、肝心の物語としてはどうかというと・・・ちょっとどうだろうと思ってしまう部分があった。
端々に原発事故だとか豊洲移転とかを意識したであろう要素が散りばめられているのだけど、その消化の仕方がどうしようもなくマスメディア的というか何というか。「金で解決」を汚い事として忌避する感じとか、「風化」を一様に悪いことであるかのように語る感じとか。もし真っさらな状態で見たならば楽しめたかもしれないけれど、現実の色々を見た後ではどうしようもなく安直で一方的な構図に思えてしまった。
特に気持ちが悪かったのは物語の収め方。重要なのは「石棺によって本当に無害化できるか否か」なはずなのに、そこはぼやかしたまま「なんか危なそうだから」「政府の不祥事が発端だから」の図書館計画中止という情緒的で良い話風だけど結果として誰も得しない所に持って行っちゃう、「穢」として触れるべからずとしてしまうあたりが実にこの国のメンタリティだなーという思ってしまう。
あと、未成年ならウイルスが発症しないってのは良いけど、その後に大人と行動したりするの大丈夫なの?(低温とはいえ無害化されてるとは明言されてないし)とかが気になってしょうがなかった。
そんな感じで、お祭り感は楽しみつつもどこかもやっとした気持ちもある鑑賞になってしまった。
完全に邪推なんだけど、終盤からの歯切れの悪さって多分当初はベタなストーリーラインで進めてたのが、世間の情勢的に厳しいと判断して色々方針転換した結果なのかなという気がする。