そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『伊藤計劃トリビュート2』感想

伊藤計劃トリビュート2 (ハヤカワ文庫JA)

伊藤計劃トリビュート2 (ハヤカワ文庫JA)

前からこのトリビュートという企画にはちょっと微妙な気持ちがあって、 それでも前作はまだどこか「伊藤計劃っぽさ」を感じられるラインナップだったんだけど、 今回は本格的に映画にかこつけた寄せ集めな感じがして、 お行儀の悪い商売に正直ちょっと嫌悪感がある。

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またこれは個人的な事情になるが、 一作品はS-Fマガジンで既読もう一つは短編作品としてKindleで購入して読んでいた作品であり、 最後の長編は面白かったけどSFっ気が出ないまま尻切れな感じで終わりだったわけで、 はっきり言って満足度は低めだった。

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映画『虐殺器官』感想

制作会社が倒産して一時はどうなるものかと思っていたけど、 ついに公開ということで早速観に行ってきた!

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前の2作品は映像化にあたって結構な変更が加わっていて、 BL/百合アレンジについては商業的に仕方ないにしてもSF的な味を損ねてしまっている箇所については原作ファンとしては許容しがたい部分もあった。

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その流れもあって本作についても期待半分不安半分だったのだけど・・・、 かなり原作に沿っていてファンとして安心感があるし、元々映像的な作品だったこともあって新規さんも入りやすい作りになっていて、 普通にオススメできる良い出来だったんじゃないかと思う。

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浜離宮

自他ともに認める出不精なのだけど、今日はちょっとした用事もあったので、ついでに浜離宮を観光。

都民の日ということで無料では入れたのはラッキーだった。

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個人的には浜離宮というと『屍者の帝国』を思い出すところ。

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これもある種の聖地巡礼だろうか。

『屍者たちの帝国』感想

書き下ろし日本SFコレクション NOVA+:屍者たちの帝国 (河出文庫)

書き下ろし日本SFコレクション NOVA+:屍者たちの帝国 (河出文庫)

昨年には映画も公開された『屍者の帝国』のトリビュート作品集。

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(映画の脚本にはいささか不満な点はあるが、この作品の世界観が美麗な映像として表現されていて一見の価値はあると思う)

この本の前にも『伊藤計劃トリビュート』と題した書籍が出版されていたが、 あちらが必ずしも伊藤計劃氏と関わりのあるものばかりでは無かったのに対し、 こちらは『屍者の帝国』の世界観を用いた作品集となっている。

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最近読んだ本『蘇る伊藤計劃』『SFマガジン700 国内篇』『ライチ☆光クラブ』『越天の空 下巻』

蘇る伊藤計劃

蘇る伊藤計劃

蘇る伊藤計劃

ここのところなにかと持ち上げられがちな伊藤計劃氏についてのムック本。

映画3作の監督のインタビューやら評論やら未収録の短編やらが載っている。

この「持ち上げ」はSFというジャンルを盛り上げるための半ば意図されたものだったんだなーとか、「夭折の作家」などとシリアス風味で宣伝されるけど実のところ結構茶目っ気ある人だったんだなーとか。

結局のところ何が「蘇る」なのかは残念ながら読み取れなかったが、ともあれ様々な視点からの「伊藤計劃」が見られて面白かった。

SFマガジン700 国内篇

SFマガジン700【国内篇】 (創刊700号記念アンソロジー)

SFマガジン700【国内篇】 (創刊700号記念アンソロジー)

「SFとは何か」というのは極めて難しい問いである。

「科学的な空想」という語義そのままに考えるならばこの世のありとあらゆるものは科学的であるわけで、恋愛小説だってSFだとこじつけられなくはないし、果ては物語という形態そのものに挑戦したような作品だってSFとなりうる。

およそ人の持ちうる想像力の到達点、それがSFなのだ。

この本はそんなSFの幅の広さを思い知らされる短編集だった。

最初の手塚治虫の『緑の果て』のようなド直球なものから秋山瑞人の『海原の用心棒』のような意思の存在について考えさせられるよなもの、円城塔の『Four Seasons 3.25』のような物語という概念そのものを利用したものまで、様々な種類の「SF」を満喫できる。

ライチ☆光クラブ

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

少年たちの狂気と機械の自我のめばえ、そして崩壊。

大人たちや周囲の世界を「醜い」と唾棄するが、着実に近づいていってしまうジレンマ。

古くは『十五少年漂流記』や『蝿の王』、アニメでも『無限のリヴァイアス』や最近だと『鉄血のオルフェンズ』のような「年少者の社会」ものが好きな人間としては、短いながらもエッセンスが凝縮されていて面白かった。

妖しい雰囲気と絵柄が非常にマッチしている。

越天の空 下巻

越天の空 (下)

越天の空 (下)

実のところかなり前に読了していたのだが・・・

上巻後半からグッと政治要素が増して面白くはあったのだが、一方で(読むのを中断していた期間が長かったせいもあってか)終盤の急展開には正直ついていけなかったこともあり、賛否いずれの感想も持てなかった。

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映画『ハーモニー』感想

Project Itoh第二弾『ハーモニー』。

原作は三作の中で最も(というか僕の人生の中でもかなり上位に入る)好きな作品である一方、 内省的に淡々と進む、絵面としては盛り上がりに乏しい作品というイメージもあり、 映像化の報を聴いた時には一番不安だったりもした。


前作がSF的な要旨を外した出来だったことや、今作も事前にTLで辛口な評判を目にしていたこともあって、 正直なところあまり期待せず観に行ったのだが・・・

個人的にはそれなりに悪くない出来だったんじゃないかなと思う。


前作同様にキャラクターの行動原理を情念的なところに委ねてしまうノイタミナの悪癖は発揮されていたものの、 SF要素は流石に物語の根幹に関わる部分なだけあって欠かされてはいなかった。

絵的にはいくつか引っかかりを覚えたものの、作品の価値を損ねるほどではないかったという感想。

ハーモニー飯、もう一皿。トマト、モッツァレラチーズ、オリーブオイルにクレイジーソルト。真っすぐ盛りつけた方が見栄え良いな。

カプレーゼ作った、えう。

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映画『屍者の帝国』感想

第一弾である本作の公開を前にして11月を予定していた第二弾『虐殺器官』の制作会社倒産など、 なんとも波乱含みな様相となってしまったProject Itoh。

なまじ好きな作品の映像作品化となると期待半分不安半分となるところに更に不安要素が増したなという感じではあるが、 とはいえ観ないと何も語ることは出来ない。

そんなわけで早速会社帰りに観に行ってきた!

何気に後ろの方にある登場人物の元ネタ紹介ありがたかったり

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