そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『ゼロ・グラビティ』感想、宇宙の自由と孤独

寝ちがえによる首から右肩にかけての痛みが4日経っても治らなかったり、辛めの味付けした野菜炒め作ったら胃がすぐに痛くなったりと、なにかと年齢による身体的な衰えを実感して切ない今日この頃。

そろそろ何か意識的体力づくりをしなければいけない歳なのかもしれない。


さて、13日に個人的には注目の『ゼロ・グラビティ』が公開されたので早速観てきた。

ゼロ・グラビティ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産)2枚組 [Blu-ray]

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あらすじ

主人公はサンドラ・ブロック演じる女性技師ライアン・ストーン。

ハッブル望遠鏡の修理のためのスペースミッション中にロシアの衛星撃墜実験の影響により発生したスペースデブリに巻き込まれる。

幸いデブリの直撃は免れ、同機パイロットで有人機動ユニットを装着していたジョージ・クルーニー演じるマット・コワルスキーと合流できたものの、乗機のシャトルは大破、残りの酸素は乏しく、90分すると再度スペース・デブリに襲われるという危機的状況となる。


二人以外の乗員は死亡、通信機器も使えず、救援は望めない。

機動ユニットの残り少ない燃料を頼りに、2人はISSを目指すが・・・


というお話。

神々しいまでの3D映像美、無重力に溺れる

僕は3D映画は頭痛がしてしまい苦手なので、よっぽど気になるタイトル以外は2Dを選択しているのだが、本作に関しては3Dを選択しておいて正解だったと思う。


本作ではまず、宇宙から見た地球の3D映像の美しさに心を奪われる。

『アバター』の頃から3D映像は飛び出す表現よりも奥行きを感じさせる表現に有効に作用すると思っていたが、本作ではまさにその辺りが上手く生きているように思う。

アバター [DVD]

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地球外周での修理作業風景と、その周りを飛び回るコワルスキー船長の遊泳の姿が、まさにその場に自分もいるような臨場感で表現される。


そして目を離せないのがロングカット!

アルフォンソ・キュアロン監督の作品といえば『トゥモロー・ワールド』での緊張感溢れる長回しのイメージが強いが、本作でもその技術は遺憾なく発揮されている。

トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション [DVD]

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宇宙を無力に漂うライアンの周囲、そしてライアン自身の視点を場面を区切ることなくシームレスに繋いだ映像。

これにより観客は、作中のライアンが言うような宇宙の「孤独」と「静寂」に自らも放り込まれたような体験をすることができる。


CGの発達によってどんなに凄い画面効果を持って来られても驚くことは少なくなった昨今だけど、本作では「どうやって撮ったんだろう?」とメイキング映像を見てみたくなる場面が沢山あるから凄い。

宇宙への畏怖と生きる意志

ライアンは何とか地球へ帰還しようとアメリカのスペースシャトル、ロシアのソユーズ、中国の神舟と乗り継いでいく。

宇宙の前には国家の区切りなく人は皆等しく無力である。


コワルスキーの犠牲や生への絶望とも戦いながら、ライアンは生きる意味を見出していく。

デブリしかり「娘の死」しかり、時に理不尽に死は訪れる。

でも、だからといっていじけて外界を遮断していても「生きる意味」は無い。

そういった辛さに抗いながら生きていくから「意味」を残すことができる。

劇場で見ておくのがオススメ

そんなわけで、本作の映像美・音響は是非とも劇場で体感しておくことをオススメしたい。

CGの発達によってフィクションの世界では宇宙は随分と「近く」なってしまったが、本作では久しぶりに宇宙への畏怖の念を思い出させてくれる。


実際の所、題材としては地味だしいわゆる「泣ける」展開があるわけでもなく、どちらかというと映像から「感じ取る」タイプの作品なのだが、だからこそこの90分には2000円強を出す価値はあると思う。

プラネテス(1) (モーニング KC)

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スペースデブリといえば『プラネテス』が懐かしい。

偶然だけどこちらも後半は「生きる意味」を見出す作品になっていた。