そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

2013年の面白かった映画5選

年の瀬ということで世間の流れに乗って僕も書いてみた。


僕の中では映画館で映画を観るという行為って、娯楽の中でコストパフォーマンスが悪い部類だと思っている。

なので僕は下調べして面白そうだと思った作品を観るスタイルな都合、観た映画は大体それなりにタイプだし、逆に言えばそこまで新作映画を一杯観てるわけでもない。

かと言ってレンタルやら録画やらのも含めてしまうと今度は結構数がある。

そんなわけで、今年公開された映画に限り5本にしぼってみた。

ルーパー

未来から送られてきた人間を殺す職業についていた主人公ジョー(ヤング・ジョー)の元に、30年後の自分(オールド・ジョー)が送られてくる。

これは処刑人達の間で「ループを閉じる」と言われる、余生が制限される代わりに莫大な退職金を得る引退の儀式だった。

ヤング・ジョーは30年分の幸せを得たいがためにオールド・ジョーを殺そうとするが、オールド・ジョーはある目的を秘めてタイムスリップしてきたのだった。


何かと論理性でケチがつきやすいタイムトラベルものだが、本作はそのあたりのロジックの説明は「細かいことはいいんだ」と潔く飛ばしているのがむしろ効果的で、秀逸なストーリーに集中できた。

ありがちな感動の展開もなければ奇をてらった驚きの展開があるわけでもないのだが、本作のストーリーには古典の短編SF小説のような一種の「収まりの良さ」を感じた。

そして地味ながら演出も良かった!

特殊メイクによりジョセフ・ゴードン=レヴィットが老いてブルース・ウィリスになっていく様は見事だったし、序盤の同僚の「処刑」の演出は斬新で底知れぬ怖さを感じた。

普段はめったにパンフレットを買わない質なのだが、この作品は観終わった後に売店に駆け込んでた。

「LOOPER / ルーパー」観てきたよー - そんな今日この頃でして、、、


ライフ・オブ・パイ

インドで動物園を経営する家庭に育った少年パイ。

政治の変遷により彼の家族はカナダへの移住を余儀なくされるが、動物達と乗り込んでいた船が難破してしまう。

幸運にも救命ボートに乗ることができたが、そこには虎が乗っていて・・・


アバターを引き合いに出した宣伝文句のせいで、3Dであることだけが売りのような印象を与えられるが、実際に観てみるとその含蓄の深さに驚かされる。

多くを書きすぎるとネタバレになってしまうのだが、社会という海原を厄介な同乗者と共にいかに生き抜くか、宗教・価値観・人生観について考えさせられる作品だった。

間違っても虎と仲良くなっていくようなハートフル映画ではない。

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日間」観てきたよー - そんな今日この頃でして、、、


まどか☆マギカ 叛逆の物語

まどか、マミ、さやか、杏子、ほむら。

魔法少女達は夜な夜な、人々の負の感情の具象「ナイトメア」を浄化して街の平和を守っていた。

誰も死なない、優しい世界。

だが、ある日ほむらは気づいてしまった。

その世界の違和感に。


まどか☆マギカ待望の新編映画。

まどマギって(というか虚淵さんの脚本作品て)「個人と役割」みたいなとこがテーマの根底にあるように思う。

だからこそ不安定な現在の日本経済を暮らす学生〜新社会人あたりの気分に合致して大ウケしたんじゃないかと分析している。

僕も多分にもれずかなりハマったものの、一方でそんな物語が「まどかという個人の犠牲により仮初の平和が訪れました」という結末になることに、ちょっと煮え切らないものを感じてもいた。

本作そのあたりを上手く回収し、真の完結をもたらした作品であり、あまりの気に入り具合に二回劇場に足を運んでしまった。

「「「わけがわからないよ」」」まどか☆マギカ 叛逆の物語 観たよ〜(ネタバレ注意) - そんな今日この頃でして、、、

まどマギ映画の前後編をTVで観て、また叛逆の物語観てきた話 - そんな今日この頃でして、、、


ブリングリング

容姿にコンプレックスを持つ少年マークは、学校で初めてできた親友レベッカに薦められるままに、セレブの邸宅への窃盗事件を起こしてしまう。

幸か不幸かその事件は成功、さらにニッキーら悪友も加わり、彼らの犯行はエスカレートしていってしまう。


この手の「泥棒」を扱う作品だと、鮮やかな手口だったり敵を社会悪にしたりというのが定番なのだが、実話を基にした本作では魅せ方が全く異なる。

彼らの手口は稚拙そのものだし、相手も単なる芸能人なのだ。

だが、アナ・コッポラ監督の映像センスは抜群そのもの。

終始アッパーでスピーディーな画面の中に、「富裕層」のバカバカしさ、若者の空虚感、そして逞しさまで描き切っている。

方法も結末も全く異なるが、僕が大好きな『ソーシャル・ネットワーク』にも近いものを感じた。

『ブリングリング』感想、心の隙間をパーティーとスリルとヤクで埋めて - そんな今日この頃でして、、、


ゼロ・グラビティ

ハッブル望遠鏡を修理ミッションを行っていた女性技師ライアンは、スペースデブリにより戻るべきシャトルを失ってしまう。

生き残った同機パイロットのコワルスキーと共に、限られた燃料の起動ユニットで宇宙ステーションを目指すが・・・


各所で評判なので、もはや説明不要な感はあるが、間違いなく今年を代表する一本なので一応。

キュアロン監督お得意のロングカットと3D映像が見事に組み合わさり、実際に自分が無重力空間におぼれているような感覚を体験できる。

今年の「体感型」作品の中では抜群の出来ではないだろうか。

「自由」と「静寂」の孤独な宇宙を描くことにより、「重力」のある地球で生きる意味が見えてくる。

『ゼロ・グラビティ』感想、宇宙の自由と孤独 - そんな今日この頃でして、、、