今更ながら年末年始番組の消化。
思い返してみると、物語シリーズっていかにもバトル向けっぽい設定のキャラがバトルしない、バトルしてもそれでは問題が解決しないような話の運び方をする印象がある。
「物語シリーズ」と冠しながらその一方で、いかにも物語然とした綺麗な決着を嫌っているように思えるのだ。
『憑物語』ではよりそんな印象が強くなった。
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『憑物語』ではメタ的な視点からの台詞が見受けられたのが興味深い。
いや、今にして思えば過去作でもそんな感じのフレーズは何度かあった気がするが、本作ではよりハッキリと示されたというべきか。
物語シリーズの黒幕じみてきた忍野扇、そして「くらやみ」。
彼女たちは断片的に物語に介入しては阿良々木暦をはじめとした登場人物たちを、設定通りの「あるべき姿」に収めようと暗躍しているように見える。
それはさながら視聴者の無意識の予想のように、あるいは物語を綴る著者の意思のように。
だが、登場人物達はあの手この手でそれに抗っていく。
そして綺麗さっぱりとはいかない、白黒つけない、けれども爽やかさを感じる結論へと持っていくのだ。
僕が物語シリーズを見ていてキャラクター達に非凡な魅力を感じるのはこのあたりが要因なのかもしれない。
作り物のキャラクターでありながら「わかりやすい何者か」ではない、どこか生き生きとしたものを感じられるのだ。
ここまで来ると、きっと一読者の「こうであるに違いない」という予想など当然のように裏切ってくるに違いない。
いや、あえてそれを裏切ってくるという方向も・・・と考えだすと、何とも次作の展開が気になってくる。
(目下のところ、忍野メメがシリーズの結末までに再登場するのか否かが気になる。)
どうもここ数年の様子だと毎年末に新作を放送するのが恒例な雰囲気だし、今から年末が楽しみになってくる。