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そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『屍者たちの帝国』感想

伊藤計劃 小説 藤井太洋

書き下ろし日本SFコレクション NOVA+:屍者たちの帝国 (河出文庫)

書き下ろし日本SFコレクション NOVA+:屍者たちの帝国 (河出文庫)

昨年には映画も公開された『屍者の帝国』のトリビュート作品集。

blue1st.hateblo.jp

(映画の脚本にはいささか不満な点はあるが、この作品の世界観が美麗な映像として表現されていて一見の価値はあると思う)

この本の前にも『伊藤計劃トリビュート』と題した書籍が出版されていたが、 あちらが必ずしも伊藤計劃氏と関わりのあるものばかりでは無かったのに対し、 こちらは『屍者の帝国』の世界観を用いた作品集となっている。

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死体に制御ソフト=ネクロウェアをインストールすることでさながらロボットのように使役できるゾンビ=屍者を作り出す技術が発達した世界。

それを舞台に、実在の歴史上の偉人や架空の古典の登場人物たちが入り乱れる。

帯で明かされている範囲でもヨーロッパへ渡った森鴎外や夏目漱石が登場する物語があったり、 ドストエフスキーの『白痴』をインスパイアした作品があったりする。

そして明示的なものだけでなく物語を読みきった時に初めて「ああ、なるほど、これはあの古典作品の・・・!」と分かる作りになっているものもあり、 それを見つける楽しさがある。

(この辺は下手に言及してネタバレしてしまうと面白さを損ねてしまうので歯がゆいところだが)

また、パロディ的なもの以外にも藤井太洋氏の「従卒トム」では"屍者を用いた戦闘"にリアルな想像力が付加されていてAoEみたいなゲーム好き的にワクワクしてしまったし、 宮部みゆき氏の「海神の裔」では屍者と地方信仰とを結びつけた物語はまたひと味違った面白さがあった。

幅広いテーマ性の物語が違和感なく同じ世界観に同居できるのは、 フォーマットの懐の広さとでもいうべきか。

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ふと見渡してみれば偉人クロスオーバー系は昨今非常に流行っているように思う。

『ドリフターズ』とか

ドリフターズ 5巻 アニメDVD付特装版 (コミック(YKコミックス))

ドリフターズ 5巻 アニメDVD付特装版 (コミック(YKコミックス))

『Fate』とか

(意識高いオタク向けエロゲーが10年の時を経てこれだけメジャーコンテンツ化するとは、おいちゃんびっくりですわ)

例を挙げ出すとキリがない。


話をSFのジャンルに戻すと、『屍者の帝国』がらみでも常々名前が挙がる『ディファレンス・エンジン』もそのタイプとのことなので、 積読が消化できたら読んでいってみようと思うところ。

ディファレンス・エンジン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

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  • 作者: ウィリアムギブスン,ブルーススターリング,William Gibson,Bruce Sterling,黒丸尚
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/09
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ディファレンス・エンジン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

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