新卒の頃、就活の面接で「オブジェクト指向を理解していますか?」という質問をされたことがあった。
その時は確か「一応、一通り教わった程度には・・・」的な回答をしたような気がする。
どういうものかという概念は分かっていたものの、それを十分に活用できるレベルかというと怪しかった気がする。
(にしても、今にして思えば随分と面接下手だったなぁ)
それでは今なら十分に使いこなせるかと問われると、正直なところ、恥ずかしながらそれほど自信は持てていない。
実際、現場に出てみると不適切なオブジェクト指向「もどき」による混沌としたコードを見かけることも少なくないし、 自分だってそれを上手く改善していけてたかというと怪しい面もある。
そんなわけで、一度基礎に立ち返ろうということで『オブジェクト指向でなぜつくるのか』を読んでみた。
- 作者: 平澤章
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2011/04/07
- メディア: 単行本
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内容としては、オブジェクト指向とはなんぞやというところから始まり、 いかに現実の事象をコードの形とするかといった設計手法の話やアジャイル開発の話が押さえられている。
オブジェクト指向も誤った適用の仕方をすると、むしろ冗長で読み取りにくく使いにくい、ひどいコードとなってしまうこともある。
必ずしも現実の物や人をそのままオブジェクトとして表現すれば良いわけではなくて、 実際にそこで行われる情報の動きに合わせて設計しコーディングしなければならない。
そして2刷からの追加として、昨今で話題に上ることも増えてきた関数型言語にも触れられている。
Web上の記事なんかでは、やたらに「用語」が使われた難解なものやポエムじみたものもあって、 どういうものなのかは何となく分かるが、それがなぜ話題となっているのかを掴みかねていた。
そのあたりが本書では平易な言葉で丁寧に説明されていて、正直なところ実感としてはまだ分からないものの、 ちょっと触ってみようかなと思う程度には興味を持つことが出来た。
- 作者: Dave Thomas,笹田耕一,鳥井雪
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2016/08/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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(今だとElixirあたりが話題性もあってちょうど良いだろうか。)
昔読んた技術書とも同様の感想になるが、もっと早くに手に取っておけば良かったなという気持ちもあるし、 一方で実務を経たからこそ実感をもって飲み込めたのかもなとも思う。
いずれにせよ、得るもののある一冊だった。