そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

アニメ『有頂天家族2』感想

 軽妙な語り口やゆるいキャラデザや馬鹿みたいに明るいOPに騙されることなかれ。中身は陰謀渦巻くドロッドロの愛憎劇である。

 なおも拭えぬ敗北感から凶行に走る者、老いて不相応の恋に耄ける者、かつての恋の面影に苦しむ者。絵的な明るい雰囲気を一枚剥いてみるそこにはそれぞれに苦悩を抱えた者達の物語がある。「相手が男なら仏だって手玉にとって見せる」といわんばかりの弁天にも心に抱えているものがあり、今期の物語ではその一端が伺えた。

 そんな作品がそれでも爽やかに思えるの主人公の魅力による部分が大きい。矢三郎は「阿呆」などと称しているがその実家族思いで頼まれれば断ることの出来ない苦労人であり、それでいてどんな場面でも挫けず恨まずを貫く良い兄ちゃんなのだ。声を担当する櫻井孝宏氏といえばサイコパスの槙島や虐殺器官のジョンポールみたいな超然的なキャラクターを演じることが多い印象だけど、この矢三郎やおそ松のようなひょうきんなキャラクターも実にハマる。

 二転三転する状況にハラハラさせられ、それでも観た後に正に「化かされた」ように心温かくなる、非常に面白い作品だった。いやーしかし京都観光とか行ってみたくなるね全く。