そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

Narcos Season3感想

 南米コロンビアのマフィアの興亡を描いたドラマシリーズの三期目。

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 さながらカーネルサンダースのような人懐っこい笑顔とは裏腹の悪魔的な人心掌握術。金と暴力で人民から警察、はては大統領までも操る悪の象徴としてパブロ・エスコバルは抜群のキャラ立ちだった。だが彼はついに二期の最後に倒された。

 そんなわけで以降は蛇足のような展開になってしまうのではないかと危惧もしていたのだが、これまでとはまた異なる方向で面白さを出してくるもんだから侮れない。Season3ではカリ・カルテルの様々な立ち位置の人物の群像劇が展開される。

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 メデジン・カルテルはパブロ・エスコバルというボスの強権を拠り所にし金と暴力を用いる、いかにもな古典的マフィアだった。それに対しロドリゲス兄弟率いるカリ・カルテルは、電話網の盗聴して組織の安全を図り、密売をフランチャイズ化して下部組織にも旨味をもたせて不満を抑え、暴力沙汰は徹底して隠滅する現代的な犯罪組織だ。

 ヒルベルト・ロドリゲスは天才的なまでの緻密さで組織を経営し、形だけの自首によって組織の富を保ったまま罪を精算する「安全なゴール」へと歩みを進めていた。だが、偶然から自首前にヒルベルトは捕らえられ、計画の破綻とともに組織の平衡が崩れ始める。自首計画に内心では賛同していない下部組織、ヒルベルトに対し厚い信頼とほのかなコンプレックスを抱く弟のミゲル、カルテルの警備を生業としながらも生来の実直さから違和感を抱えるホルヘ・・・etc。 

 そして、それを追う側もまた葛藤を抱える。エスコバルを捕らえるための後ろ暗い協力をし、同じアメリカの組織でありながらも政府やCIAとの不和が生じていた。悪を倒すために別の悪と手を組まなければいけない矛盾。権力闘争に疑心暗鬼に私怨、微妙な人間関係が生み出す緊張感が実に見応えがあった。

 いかにも冷血漢といった風情のパチョがなぜカルテルにそこまでの忠誠を誓うのか、愚かなミゲルの恋心は報われるのか、DEAは巧妙に隠蔽された資金の流れをどのように掴むか。刻々と変化する状況とあまりに人間臭い人でなし共のドラマに釘付けになってしまった。


 Seeson4では遂に現在進行系でマフィアが跋扈するメキシコが舞台に・・・と思ったらロケハンスタッフが殺害されるという痛ましい事件が起こってしまった模様。

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 ロケをメキシコからコロンビアに戻すという話もでてきたようだ。

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