そんな今日この頃でして、、、

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『バリー・シール/アメリカをはめた男(原題: American Made)』感想

 CIAの任務の傍らで麻薬の運び屋もしていた天才パイロット、バリー・シールを描いた作品。ナルコス好きとしては見逃せないということで観てきた!

バリー・シール/アメリカをはめた男 (オリジナル・サウンドトラック)

バリー・シール/アメリカをはめた男 (オリジナル・サウンドトラック)

 ナルコスではあくまで序盤の小エピソードという扱いで描写も少なかったので「CIAなのに麻薬の運び屋?」と疑問に思っていたのだが、彼はCIA・マフィアの忠実な部下というわけではなく、自己の利益を追求する提携しただけの自営業者なのだ。米ソ冷戦により情勢の不安定な南米を背景に狂乱としか言い様がない暗躍を繰り広げる様は実に面白かった。


 才能と度胸に恵まれ、それ相応に野心も持ち合わせた若きパイロット、バリー・シール。そんな彼に目をつけたCIAは、南米の共産勢力の空からの監視任務へと抜擢した。だがバリーもただ使われるだけで満足する男では無い。情報の横流しに麻薬の密輸・・・立場を利用し強欲を満たすための悪事に手を染め始める。

 「運び屋」といっても単に荷物を積んで乗り物を操縦すれば良いわけではない。捜査機関を出し抜く情報といざという時の操縦技術、そして航路上の権力者とのコネが不可欠だ。それ故に彼らには高い報酬が与えられる。


 おそらくCIAだって彼の「危ない副業」を把握していただろう。だが、国益を名目に黙認していたのだと思う。(バッグのくだりとかね。いざという時に切り捨てることを考えると、むしろ後暗い経歴の方が好ましかったのかもしれない。)未必の共犯関係なように思えるわけで、「アメリカをはめた男」という副題は不適切だなと思ってしまう。

 アメリカが支援した権力者が独裁者へと転じ、それにより弾き出された者が別の国で麻薬製造を始め、それを商材として密輸密売が蔓延り、回り回ってアメリカを毒する。塞翁が馬としか言いようのない現実があり、同じ「国益」という最終目的でありながら成果主義のセクショナリズムでそれぞれの思惑と利害で動く組織があり・・・バリーの人生を題材としながら、アメリカという国家の自家中毒のような矛盾が描き出されていた。

 追記:気になって原題を調べたら『American Made=アメリカ製』だった。僕の見方で正しかったようだ。というか『ドリーム』といい本作といい、ニュアンスが逆の方向の邦題付けちゃうのは流石にどうなのよ・・・

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 テンポの良い展開と「富と幸福」を考えさせられる脚本、ノリの良いBGMには『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に近い後味を感じた。

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 たぶんこれが初見だとアルファベット3文字の意味するところが把握しきれなかったり、その組織がなぜ相反する活動をしているか分かりずらかったりしそうなので、そのあたりは是非ともナルコスで補うことをおすすめしたい。

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