表題の3作品が同時に放映されていて、巨大ロボアニメ好きとしては俺得な今期。
このジャンルに関しては30分アニメの方が膨大な予算を注ぎ込んだハリウッド映画よりも想像力も表現力も優っていると思う。
巨大ロボットが出てくるアニメの面白さとして一つはSF要素を楽しむという面と、もう一つは「相対的には過大な、しかし剥奪されうる力を手にした」ことによる社会性の変化の思考実験としての楽しむという面があると思う。
(前者はガンダムなんかが代表的だし、後者はエヴァなんかはまさにそれかなと思う)
特に後者の視点で巨大ロボアニメを楽しむ上で
・戦闘の社会的動機
・戦闘の個人的動機
・強さの説得力
の三要素が重要だと僕は考えている。
さて、表題の3作品について現状出ている情報からそれぞれ考える。
『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』
3Dモデリングや作画で「あんまり金かけてねーなー」という印象を受けた。
もっとも作品を楽しむのに邪魔になる程ではないが。
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戦闘の社会的動機:侵略してくる敵から人類を救うため
戦闘の個人的動機:劣等生が社会的に認められるため
強さの説得力:戦闘のための遺伝子改良と個人用に特化された機体
他2作品と異なりチームであることから、今後仲違いとかそういう要素が入ってくると予想。
「闘争本能を増幅する」設定からはなんとなく決断主義の要素も垣間見え、面白くなりえるかなと期待。
スナイパー機の頭がスライドするギミックが地味に好き。
『革命機 ヴァルブレイヴ』
事前の宣伝からすると3作の中では一番資本が入っていそうな印象がある。
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戦闘の社会的動機:異国との戦争
戦闘の個人的動機:殺された幼馴染の復讐、「人を捨てた」ことによる機体への束縛?
強さの説得力:特別機、ゾンビ化?
一話はなんだかガンダムっぽい展開と昨今ありがちな平和主義ウジウジ系主人公でな感じで「資本入ってるだけにオーソドックスな方向で行くのかな?」と思ったが、「戦うべき状況」が提示され、そして「戦わざるおえない理由」ができて自らの意志でロボに乗り込む流れには90年代〜10年代までのロボアニメの思想の変遷を見るようで面白い。
そしてED後の展開には度肝を抜かれた。
きっとANUBIS ZONE OF THE ENDERS SPECIAL EDITION (通常版)みたいにシステムに縛られて戦わざるをえない状態になったりするんだろうなと予想。
『彗星のガルガンティア』
SF設定的に今のところ一番楽しみなのは本作。
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戦闘の社会的動機:恒久的に侵略してくる敵がおり、そもそも戦闘を行うことが義務化されている
戦闘の個人的動機:そもそも戦うことが日常と化している
強さの説得力:主人公自身の素質はあるが、相対的にはそれほど強いわけじゃない
前半のディストピアっぽい雰囲気はそれだけでも古典SF好きとしては刺さる部分だし、そういった「普通」だった人間が漂流して他の社会に「超越者」として迷い込む展開にも興味をそそられる。
(何か似た構図をみたような・・・と思ったらターンAだった)
正直メカデザインはあまり格好良くないなと思うんだけど、近年はそういうロボの存在感が薄いロボ作品が面白かったりするイメージがある。
どう展開していくか一番読めず、ロボアニメとしてというよりはSF作品的にどうなっていくのかが気になる作品。
「こういうのが見たかった!」という感想をよく見かけるけど、僕もまさにそう思う。
個人的な期待値は今のところガルガンティア>ヴァルブレイヴ>マジェプリだけど、どれもまだまだ面白そうだなと思っている。