「自炊代行業者」の逮捕に思うあれこれ - そんな今日この頃でして、、、

元記事だとちょっとズレた認識で書かれているけど、要するに自炊代行業と言いつつ海賊版のデータを販売していたという事件。

いわゆる自炊代行業そのものの是非とは別の次元の話なのに注意。

ストーリーが容易に想像できて、色々思うところがあって書いてみた。

今回の件の業者は創業が2年前らしい。

2年前といえばiPadが市場に出回り米国ではKindle発売され、日本でも「これからは電子書籍だ！」とメディアが煽り立てていた時分。

アーリーアダプタ（笑）な層はこぞって蔵書を自炊したがり、大手の自炊業者などは５ヶ月待ち（！）とかもざらな状況だった。

当時は相場は一冊あたり200円程度、一方で自炊を行う機材は最安で4万円弱、良い物を揃えてもせいぜい5万円強であり、需要過多な状況を見れば元手ぐらいは直ぐにでも回収できそうな感じだった。

かくいう僕も自炊の道具を揃えていた（自炊してみた - そんな今日この頃でして、、、）こともあって、就活でナイーブになっていた時期は割と真面目に「就職できなかったら自炊代行業で日銭を稼ぐのもありか」と考えていた…

そんなわけで、創業当初はそれなりに上手くいっちゃったんだろうなーなんて思う。

しかし次第に

・初期需要の落ち着き

・電子書籍の販売体制が整い（これは本当に最近になってだけど）

そして

・他の業者との価格競争

によって、事業を効率化したり顧客を獲得する能力が無いと厳しい状況に陥り、真っ当にやっていても食えなくなってきたという状況が想像に難くない。

なまじ当初上手くいっていて周囲にも成功してる感を振りまいてしまった手前ひっこみが付かなくなり、

・怪しいコンサルの言うこと聞いてみちゃったり（フォロワー買ったりしてるのは誰かの入れ知恵じゃないかな）

した挙句、違法だとは知りつつも今回の海賊版データ販売に手を出しちゃったのかなと思うと、能力は足りないけど行動力だけはある純朴な若者の末路としては色々居た堪れない。

一応言っておくと、今回の事件は紛れもなく著作権法違反なので同情の余地なんか一切無いし、普通に裁かれるべきだと思う。

ただ、僕個人としては自炊代行業そのものは法的な裏付けをとって真っ当な商売として残っていって欲しいと思っているので（自分で自炊作業するのクソ疲れるしね）、今回みたいなので自炊作業そのものに悪印象を持たれてしまうのは嫌だなーなんて思ったりする。

まあ、いずれにしろ代行業自体が現状はグレーゾーンなんで、蔵書に量があって金にある程度余裕があるなら自分で機材揃えるのが安全確実なんだけどね。

自炊したい本の量が多いなら、少し高くなるけどページが重なって読んでしまうのを検知してくれるこっちのモデルの方がストレス無くて良いと思う。

裁断も円盤カッターのやつを何度も往復させてると腰が痛くなるので、置き場所に余裕があれば値段もそんなに変わらないしギロチン式がおすすめ。

正直KindlePWは自炊書籍を読むのには向かない。（Kindle PaperWhiteで自炊した書籍を読む - そんな今日この頃でして、、、）
iPadとかAndroidタブレットが無難かと。