そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『攻殻機動隊ARISE border:1 GhostPain』観たよー

PS StoreでSD版は750円なり。

公開と同日に家にいながらにして最新の作品楽しめるようになったのだから、出不精には良い時代になったものだ。



『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』冒頭8分映像 - YouTube


印象としては押井版ほど難解なSF哲学表現ではなく、一方で神山版ほど社会派臭くしすぎてないのが良かった。

作品の世界観は好きだけど、ハイレグ少佐の無双アクションには食傷気味だなーって人には十分オススメできると思う。





以下ネタバレ含む















事件の概要

上官が情報を残して死に、その死の真相を探っていくうちに軍のスキャンダルにぶち当たるという話。

文章での説明はあまり得意ではないので、おおよそのフローを図でまとめてみた。

f:id:blue1st:20130623142917p:plain


こうやって情報をまとめて見ると、むしろ映像として描かれていない部分こそが重要だったんだなと思う。

各所ミスリードを誘う演出や、背後関係を視聴者に伝えつつも出し過ぎない感じなど、脚本の力を感じる。

折角のレンタルなので二回ほど観たが、「痛み」はファイヤスターターにより改ざんされた記憶に触れようとする時のものなんだなーとか他のキャラが素子に接するときの「違和感」とか、二度目にはそういう所に着目すると面白い。


※余談だけど、今回作図に使ったのはastahという無償ツール
僕はSIerみたいなきっちりした所に務めたことはないので、UMLみたいなのは学生時代にちょっと習って以来なんだけど、やっぱり作図すると理解しやすくなるのは良いね。
astah* community - 無償UMLモデリングツール



いろいろな「攻殻機動隊

攻殻機動隊士郎正宗氏の原作漫画、押井守監督の映画作品、そして神山健治監督のSACシリーズと、なんだかんだと息の長い作品。


士郎正宗氏の原作漫画

原作は割とエログロ色の強いSFアクションで、意外とコメディ要素があったりする。

攻殻機動隊 (1)    KCデラックス

攻殻機動隊 (1) KCデラックス

正直おもしろいかと問われると微妙なところで、僕に設定厨な要素があったのと先に映画を観ていて十二分に興味があったから楽しめたかなーと思う。


押井守監督の映画

マトリックスのネタ元として有名。


原作のSF哲学っぽさを深めた感じ。

EMOTION the Best GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 [DVD]

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電脳化により自らの記憶すら置き換わりうるようになった時、「真実」を何に担保するか。

思考がネットワーク接続され、「魔法の鏡」が常に手元にあるような状態になったとき、いかにして「個」を保つか。



ちなみに「自分」の根幹が揺らぐ世界感はこの監督の十八番らしく、他の作品でも扱われているから面白い。

アヴァロン [Blu-ray]

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スカイ・クロラ [DVD]

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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

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僕はSFのキモって、「現実の前提が崩れた時、人や社会はどうなるか」という思考実験の面白さだと思うので、そのあたりの扱い方が巧みなので押井守監督作品は大好きだったりする。

ただ、若干表現を無闇に難しくなりすぎるきらいがあるけど。


神山健治監督のSACシリーズ

多分ここから「攻殻機動隊」にハマったという人が一番多そう。
(かく言う僕もこれが入り口)


押井版と比較するとポリスアクション物としての色合いが濃く、その小道具としてSF設定が使われている感じ。

見る者に心地よい謎を提示する演出と、得意のSF小道具を活かしたアクションが遺憾なく発揮されている。

同じく東のエデンもなかなかワクワクできた。

(最後がなければなー)



そんなわけで社会派オシャレアニメとしての力量は疑いようはないのだが、SF的なテーマ性に関してはあまりネタを持ち合わせてないらしく、無敵のハイレグ少佐が毎度おなじみのようにプラグイットして「集団的無意識ガー」で締めるという展開には食傷気味になってしまった。


009に至っては新手のギャグかと思った。(「009 RE:CYBORG」観てきたよ - そんな今日この頃でして、、、



そんなこんなでARISE感想

キャラはSACから引き継がれているものの、ちょいちょい変わってるところもある。
(パズが良い人っぽくなってたり。)

でもそれはそれとして別作品として楽しめば良いかなーと思う。


僕なりにはSACのポリスアクションっぽさと映画の哲学っぽさを上手いこと取り込みつつも、飲み込みやすくマイルドになっている感じには好感をもった。
(各作品に共通するシュールストレミングばりに臭い台詞回しも控えめだった)


なまじSACに熱狂的なファンが多いため、キャラデザや声優の変更を不安視するような前評判はあったけれど、素子の体格の小さめのビジュアルや坂本真綾の演技は「少佐っぽさ」を残しつつもやや未熟さがある感じは演出上良かったと思うし、トグサの青二才感も役どころを考えればピッタリだと思う。

あとBGMも僕は好きだな。



そんなこんなで、攻殻機動隊の世界観が好きな人になら安心してお勧めできる作品に仕上がっていると思う。

次作にも期待したい。



・・・どうでもよいけど僕は「感想」書くのって苦手だなぁ。
どうにも、列挙した挙句の批判っぽくなりがち。
どうやれば上手く書けるようになるんだか、、