今期も何だかんだで面白いアニメが多い。
キルラキルや京騒戯画はアニメーションという技法の巧みさを楽しめるし、ヴァルヴレイヴはプロットレベルではぶっ飛んでいるけれど、キャラクターや展開レベルで見る分には「さすがはサンライズ」な演出の盛り上げ方の上手さを感じられる。
さて、そんな中でも再放送中の『ガールズ&パンツァー』が実に面白い。
いや、面白いらしいということはリアルタイムの放映時から常々聞いていたし何週遅れだよって話ではあるのだけれど、僕は今更ながらに感銘を受けていたりする。
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萌え要素
実のところ僕はリアルタイムでは3話あたりをちょっとだけ観ていたのだけれど、その時はキャラ萌えっぽい雰囲気が苦手だなーと思っていた。
けれども一話の最初から見ていると、本作の魅力がそれだけではないことが分かる。
「萌え」がフックになっている事自体は疑いようが無いが、「戦車戦」ならぬ「戦車道」の楽しさが丁寧に描かれている。
戦車道の面白さ
そもそも巨大メカの魅力というのは、身体拡張の欲求に根ざしているように思う。
同ジャンルだと巨大ロボものもあるが、現実に存在する「戦車」という題材は地に足がついていて想像に至りやす。
3Dモデリングの戦車が広大な土地でグリグリ動きまわって様々なシチュエーションで戦う様は、見ているだけで単純にワクワクしてくる。
この作品が貴重なポジションだなと思うのは、これがチームでの「戦術」を描けている点だと思う。
どのような物語を描くにしろ、尺が有限である以上は焦点を絞らなければならない。
例えば近いジャンルであるロボアニメなんかでは、個々の戦力の自由度が高くなる一方で、描かれるポイントが個人の「戦技」に寄ってしまう。
「小隊」といえば『08小隊』が頭に浮かぶけど、あれはなー・・・
古風な作品であれば、もっと大きい視点からのものも結構あるのだけれど、それらは政治的で戦局をダイナミックに動かせる「戦略」が焦点になりがちだったりする。
意外と各々の顔をみながら作戦を遂行していく小隊レベルでの「戦術」の面白さを描ける作品は少ないように思う。
萌えと戦車
例えばこれが男子が戦車を乗り回すような作品であったなら、それこそ「戦争批判」要素を避けては通れなかっただろう。
本作では「萌えキャラ」が上手いこと緩衝材となり、そのあたりの説教臭さを回避できていることが秀逸である。
3話の戦車を各々が塗装してしまう展開が象徴的なのだけれど、リアルな「ミリタリー要素」を削ったとしても巨大メカとしての「戦車」の魅力は全く色褪せない。
何はともあれ次週の放送が楽しみな作品なのである。
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同じく戦車の動く様が楽しい作品といえば、士郎正宗氏のドミニオンを思い出す。
もっともあっちは単騎としての戦車フェチだけど。
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戦術フェチ的には皇国の守護者が面白い。
たった5巻で終わってしまったのが悔やまれる。