いやー、期待に違わず面白かったですな。
ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です! [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2014/07/25
- メディア: Blu-ray
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そもそも何でガルパンがこんなに魅力的なのかなんてことを考えてみると、勿論キャラ萌えだとか部活的な描写が秀逸とか端々に挟まれるネタが…とかって部分はあるだろうけれど、絶対的に大きな要素としては「戦車」が主役としてちゃんと描かれているからだと思う。
思えば二次元でも特撮でも戦車といえば愚鈍なやられ役として描かれるばかりで、意外と戦車が話の主体となるようなものってパッとは思い浮かばなかった。
(総火演なんか見ると実物はかなり機敏に動くのに驚かされるんだけどね→総火演に行ってきたよー - そんな今日この頃でして、、、)
ガルパンのTVシリーズではその戦車のディテールへのこだわりや陸戦兵器としての戦術性がちゃんと取り入れられていたのはアニメファンとしては目新しかった。
さて、本作の話。
ストーリーとしては本編の中に挟まる話なので結末はわかりきってるし、なまじ本編の戦車戦が良かった故に「他に何を描くつもりなんだろう?」「蛇足になるのでは?」みたいなことを思ったりもしたのだが、そんな心配は無用だった。
装填手の重要性
キャラクター面では、本編では地味な印象だった装填手に焦点を当ててきていたのが面白い。
TVシリーズでは主人公たる指揮官は当たり前として、操縦手や砲手なんかは単純に技巧によるヒーロー的に描きやすいし、通信手についてもサンダース高校との情報戦では効果的に描かれていたが、装填手はといえば専ら車外への偵察に出てりといった役割外での活躍ばかりが描かれていた。
しかし装填手=リロード性能だと考えると、実際の戦闘においては非常に重要な役割だったりする。
単に手数の多い少ないということだけではなく、それぞれのタイミングで選びうる行動の幅が広がるということなのだ。
そのあたり本作ではセモベンテとⅢ号との戦闘で描写されている。
双方とも砲塔の無い=正面を向かなければ攻撃できない=接近戦では攻撃機会が限られる車両であり、少ないチャンスを如何に活かせるかは装填手の技量にかかる部分が大きい。
ガルパンといえば最終話の怒涛の戦闘描写が強く印象に残っているところだが、それに張る位見応えがあった。
(まぁ、そもそも自走砲としては運用方針間違えてね?というのは野暮だろう)
豆戦車の機動戦
事前の諸々の記事だとP40の話題が主だったが、蓋を開けてみれば劇中に目覚ましい活躍をしたのはむしろCV33だった。
TVシリーズでは専ら「対戦校と比べて非力な戦車で運用で勝つ」という戦いが多かったが、アンツィオはむしろ大洗よりも火力の乏しい対戦相手だったのが興味深い。
先回りによる撹乱戦術や包囲・反転からの攻撃など、軽快な機動性を活かした戦闘はTVシリーズとはまた違った戦車の魅力を知ることができた。
(ところで機関銃てあの世界のルール上どこまで有効なんだろ?格ゲーの小パンチ連打みたいな位置づけなんだろうか)
冒頭にも書いた通り、「あれほど綺麗にTVシリーズまとめたのに、後なにをやるんだろ?」と思ったが、蓋を開けてみればなかなかに新鮮味があって楽しめた。
また、ガルパンのTVシリーズ自体が若干駆け足気味の展開で色々な要素が「想像にお任せ」な感じになっていたのではあるが、自動車部や生徒会の参戦の経緯なんかがサクッとフォローされてたのも面白い。
元々が「女子高生がスポーツとして戦車を乗り回す」というぶっ飛んだ世界観なのだけれど、本作もそういうツッコミを許さない位には展開が心地よく、TVシリーズを面白いと思えた人なら観て損はない出来になっているんじゃなかろうか。