ガンダム関連商品のCMやら何やらで勇ましい場面と共に使われがちなこのセリフ。
本編を経ずにそういった物ばかりを目にしていたので、後の「エースパイロット アムロ・レイ」像とも相まって何だかヒロイックなニュアンスでとらえていたけれど、実際は結構悲しいシーンだったんだなと再発見した。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN(6) (角川コミックス・エース)
- 作者: 安彦良和
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エヴァが流行した当時、年上の人が「ガンダムと同じ」というようなことを言っていた意味がようやく掴めた気がする。
物語の当初は状況に流され仕方なくガンダムに乗っていたアムロ。
しかし、帰る家を失い、再会した母には理解されず、そして唯一自分の価値が認められる場だと思っていたガンダムのパイロットの座も危うくなる。
ガンダムを駆ってホワイトベースから逃亡し、ジオン軍人ランバ・ラルと遭遇した後、ホワイトベースへ連れ戻され懲罰房に入れられてのこのセリフである。
人畜無害な機械オタクだったアムロが、いつの間にか戦場にしか居場所を見いだせなくなっている悲しい場面なのだ。
徹頭徹尾「戦場の男」であるランバ・ラルとの邂逅の後であるのも興味深い。
これを踏まえた上で最後が「僕にはまだ帰れる場所がある…こんなにうれしいことは無い…」であることを考えると、なるほどガンダムもエヴァ同様に「居場所」を見つける物語だったんだなって思えてきた。
「大義」とか「復讐」とか、そういったマチズモなロマンからからの脱却。
そういった意味で考えると、『機動戦士Zガンダム』でアムロを戦場へと引き戻してしまったカツ・コバヤシは相当に罪深い。
あと、『0083』なんかはそれこそマチズモ臭がキツすぎて僕は嫌いで、その分逆に『ポケットの中の戦争』なんかは結構好きだったりするのだけれど、それでもやはりバーニィの決断に肯定的であるべきではないんだなぁて気がしてくる。
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