そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『フォックスキャッチャー』感想

1日に観たのを今更ながら感想。

間違いなく傑作の部類だと思うし僕自身も面白いとは感じたのだけれど、どうもこのジャンルの映画の感想を文章にするのは苦手だ。

フォックスキャッチャー Blu-ray

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本作は実際にあった事件をベースとした映画。

物語自体は孤独な金持ちの老人が金の力で人望を得ようとするがやはり得られず嫉妬に狂い殺人を犯したで説明できてしまう程度のごくシンプルなストーリー。

だが、行動の裏をにじませる演技と破綻を予感させる不気味な演出が実に効果的だった。


特に特殊メイクでジョン・デュポンになりきったスティーヴ・カレルの真意の読めない、それでいて静かな狂気が感じられる表情!

一見なんでも金で手に入れられる「持つ者」に見えて、デイヴの強靭な肉体・己で成し遂げた名声・人望・家族といったものがどうしようもなく妬ましい、「持たざる者」な大財閥の御曹司の雰囲気をこれでもかというぐらい醸し出していた。

そして、あらゆる場面の画面構成が、照明加減が、音響が、ありとあらゆる要素がいつか破綻をきたすことを予感させる。

マークの力不足、そしてジョンの虚栄心とコンプレックス。それらが積み重なり、悲劇へと繋がる。