そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

最近読んだ本『ゼロ・トゥ・ワン』『言葉使い師』『PSYCHO-PASS ASYLUM2』

『ゼロ・トゥ・ワン』

Paypal共同創業者であり投資家のピーター・ティール氏のビジネス書。

ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか

ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか

2015年度のビジネス書大賞も受賞したらしい。

ひたすらエモい調子で「何かを生み出す」ということについて語りかけてくる。

なるほど「社会的に有効なタイミング」や「狭い市場を狙う」あたりの話には頷かされるところもあるし、 「常識からは外れた何かを実現すること」の意義のあたりは興味深かった。

特に↓の下りなんかはグッと来た。

「社会的にいいこと」というのは、社会のためになることなのか、それとも単に社会の誰もがいいと見なしていることなのだろうか?誰もが手放しで「いい」ということは、代替エネルギーのようなありふれたアイディアと同じで、もはやただの常識にすぎない。

確かにくだらない企業ほど「社会貢献」みたいなお題目を掲げたがるし、 本当に革新的で価値ある企業には「社会的意義」は後からついて来る印象はある。

イーロン・マスク氏を例とした「夢」をビジネスとして実現させる話なんかは実にワクワクできたし、 単に私的な利益の話の話にとどまらず、人類をいかに発展させるかといった大きな観点からも面白い本だったと思う。

だが一方で好例として挙げている企業についてはいささか論旨に都合の良い部分だけを取り上げすぎかなという印象もあり、 また「新しいことに挑戦しよう」と言いつつ「最後に参入しろ」と言ってみたり、 この本から具体的で実践的な何かが得られるかというと難しい気もする。


『言葉使い師』

神林長平氏の初期作。

言葉使い師

言葉使い師

個人的に最も好きなのは一つ目の『スフィンクス・マシン』。

記憶という名の「外界のコピー」を除いたとき何が残るのだろうか。

異種知性との対話からの「人とは何か」という問いには『戦闘妖精・雪風』の原型がみてとれる。

blue1st.hateblo.jp

余談だけど、今やっている『シュタインズゲート・ゼロ』でも人工知能を題材としてこの「意識と記憶」の問題が触れられていて興味深い (ような、スピンオフの出来を考慮すると期待し過ぎない方が良いような気もするが)。


『PSYCHO-PASS ASYLUM2』

PSYCHO-PASSシリーズはそんなに好みじゃないと言いつつ、 何だかんだで映画からノベライズまでしっかり追っちゃってる不思議。

PSYCHO-PASS ASYLUM 2 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS ASYLUM 2 (ハヤカワ文庫JA)

本作では六合塚の因縁を描いた『About a Girl』と、宜野座の過去を描いた『別離』が収録されている。

「ASYLUM=避難所」というタイトルどおり、 善悪様々な意味でシビュラシステムという救済から零れ落ちた者たちが安息の場所を求めるシリーズ。

SF的な面白さよりもキャラものサスペンスとしての側面が強く、 「この筆者なら今ひとつ納得感の薄かったシビュラシステムを上手く消化してくれるんじゃないだろうか」 という期待には残念ながら沿わなかったのだが、 次作にあたるGENESISはそのあたりに焦点があたるようなので気になるところ(というか既に積んでるんだよね)。

PSYCHO-PASS GENESIS 1 (ハヤカワ文庫 JA ヨ 4-6)

PSYCHO-PASS GENESIS 1 (ハヤカワ文庫 JA ヨ 4-6)

PSYCHO-PASS GENESIS 2 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS GENESIS 2 (ハヤカワ文庫JA)