新年一発目からアニメ話かよという気もしたけど、 一挙放送観てテンションが上がったので。
今更僕が語るまでもなく方々で評判の作品ではあるんだけど、 やっぱり面白くて語りたくなるものがある。
SHIROBAKO Blu-ray プレミアムBOX vol.1(初回仕様版)
- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- 発売日: 2016/11/23
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (3件) を見る
本作はアニメーション製作の現場を描いた作品。
何かと「夢」的な方向で美化されがちな業界だけど、本作はそのあたり厳しい面も描いているのが興味深い。
(それでも本当にヤバいとこはギャグっぽくして誤魔化してるのかなという感じもあるけど)
(1巻の堀川さんのコメンタリー聴いてると、無茶をマンパワーでゴリ押すのが常態化してる感じがナチュラルに出てて、正直ドン引いたり)
単純に僕がアニメを好きだから製作工程が見れて面白いと思うってのもあるけれど、 一見すると特殊な職場を描いているようでいてお仕事ものとして普遍的に共感できる部分がかなりあるのがこの作品がこれだけヒットしてる要因だと思う。
で、共感という話でいえば僕のいるソシャゲ業界なんかは結構近いところがあるなと思ったりする。
版元の意向に右往左往し、雑な企画にイラッとさせられ、職人気質なエンジニアの気まぐれに振り回され(これは本当に申し訳ない)・・・
そんでもって、皆それなりに良いものを世に出そうと思っているんだけど、空回ってしょうもないクソゲーが出来上がったり。
最近書いた話だと『アオイホノオ』で一個人のエンジニアとしてどう生きるかというところに共感したというのが近いけど、 あちらが個人の話なのに対して本作の場合ではチームでの仕事をするということについて自分を相対化できる感じだろうか。
共感できるところ、刺さったところ
職業人としてのこだわり
職業柄、どっちかというとアニメーターとか原画マンとかの側に共感する部分が多かった。
瀬川さんの「手を付けた以上は半端なものを出したくない」とか、 遠藤さんの「3Dでいい」と言われて怒る感じとか、 そういう拘りの感じは凄く分かるなーと。
案件そのものの好き嫌いは置いておいても、 システムを組むということそのものにそれなりに誇りを持っていて、 だからこそ雑に思える企画には苛立ちを覚えるし、 適当に済ませるみたいなことに忌避感を持ったりもする。
でも現実的な問題としての期限は迫ってくるし、妥協点を見つけなければいけない場合もあるわけで・・・
職人気取りじゃあかんよなぁ
で、逆に身につまされた点でいうと、 自由気まますぎる業界人に振り回されるところ。
作る側の人間なんで少なからず気分の乗る乗らないに影響されるのはあるんだけど、 でもお金をもらって仕事してる以上一定の成果はちゃんと出さないといけないし、 ましてや人の足を引っ張るようなことしちゃいけないよなぁと。
(この辺は2巻コメンタリーで板野さんが結構厳しいことを言っていて興味深かった)
厳しさの種類が違うだけだよ
結局これに尽きるんだよなという気がする。
チームで仕事をする以上、違う立場に対するリスペクトって大事だよなーと。
ただ、思いやって相手の言い分鵜呑みにするんじゃなくて、主張すべき部分では主張して、成果物なり現場なりを改善していくべきなのだろう。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- 発売日: 2016/12/21
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
他にもベタだけど平岡さんの過去話の回にはウルっと来たし、宮森同様に「将来どうなりたいか」という問いへの戸惑いは今もって共感するところだし、 あと中盤の「夢を追うだけの仕事は辛いけど、夢の無い仕事も辛い」感じはすごく分かる気がするし・・・
とにかく、色々と身につまされるところもあり共感できるところもあり、笑えて泣けて、それで観終わった後でポジティブな気分にさせられる良い作品だった。