さすがは京アニといった感じのクオリティの高さはあり、しかしだからこそ苦しく思うところもあって感想としにくい・・・
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僕には苦手意識のある物語のジャンルがいくつかあって、その一つが障害者ものだったりする。
どうしても現実と対比して見てしまうところがあって、 綺麗な物語であればあるほど、どこか辛く感じてしまうのだ。
子供の残酷さ
前半は、主人公たちの「罪」の話から始まる。
PTA推奨の道徳映画であれば絶対に描かれないような、非常に生々しくて胸を抉られるような子供社会の残酷さが描かれる。
よく子供の愚かさを「無邪気」と称したりもするが、そんなことはない。
大人になると忘れてしまいそうになるけれど、子供には子供なりに社会があり打算があって、 そこでの居場所を確保しようと必死で外面をとりつくろったりするものなのだ。
大人の顔色を伺い、都合の良く物事を解釈し、見てみぬふりをして・・・
かくいう僕だって、無神経さや浅はかさで少なからず誰かを傷つけてきたに違いない。
僕はそういった描写にリアリティを感じて、 登場人物のそれぞれの「汚さ」に共感すらしてしまい、 正直なところ息苦しさを感じた。
それと同時に、そういう「汚いもの」すら臆面もなく「綺麗な画」として表現してしまうあたりが京アニの凄さだなとも思うし、 僕がなんとなく京アニ作品に感じる苦手さの一因なのかもなと思った。
「恋愛」として消化してしまうこと
これを言うのは非常に無粋で不格好なのは分かっているのだけど、 現実と対比していまうと、やはりどうしても「これ京アニ的な美少女だから成り立つ物語だよね」と思ってしまう。
(この作品に関しては「萌えー」とかいって消化することされることに個人的にはすごく抵抗を感じてしまう)
物語の美しさに感動する一方で、 画にならない、ましてやコミュニケーションも厳しい場合、どこに救いを求めれば良いのだろうと考えてしまう。
いや少なくとも初期に関しては将也に恋愛感情は無かったはずだし、それメインな物語というわけではないけれども。
この辺はどうしても『ジョゼと虎と魚たち』を思い出さずにはいられなかった。
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あと、ED曲には「うーん?」と思った。
歩み寄るということ
そんな感じでなんだかケチつけがちな風になっちゃったけど、作品のテーマ性は凄く好きだ。
自分の汚さを認識し、克服しようとすること。 他人を許し、良いところを見つけること。 そして、自分を正しく理解してもらえるように努力すること。
このあたり、コミュ障っ気のある人間としては非常に心に響いた。
そんなわけでどうにもまとまりの悪い文章になってしまった。
個人的に引っかかりどころはあったんだけど、それでも作品としての質は極めて高くて良かったと思う。
画の表現は残酷なほど綺麗だし、特に硝子役の早見沙織さんの演技なんかは素晴らしい。
観た後で他人に少し優しくなれそうな気がした。