本当は春アニメでは一番最初に見終わっていたんだけど、作品の性質上なかなか感想を文章にしにくいものがあってこのタイミングになってしまった。
- 発売日: 2017/07/26
- メディア: Amazonビデオ
- この商品を含むブログを見る
個人的にグッと来たのが、あれだけ凜々しく頼もしく見えた調査兵団精鋭の惨たらしい死に様。どうあっても格好良い死に場所など与えない感じが、この作品世界の厳しさの表現に一役買っている。
また、本来善良であるはずのアルミンが護るべきもののために非道な手段を採るあたりも良い。このあたりの「毒」が非常に上手く効いている。
エレンの「大人しく従って情報を集めるんだ」のちょっと後で殴りかかっちゃう場面に象徴されるような、どこまでも大人になれない感じは見ていて少しイラッともするけれど、一方でそういう縛られない精神性こそがこの作品の表現したいところなんだろうなという気がする。
多分エレンばかりを追うような話の構成だったらもっと鼻につく感じになってしまったのだろうけれど、二期に入り色々なキャラクターからの視点による群像劇的な描かれ方になったのもあって全くストレス無く観ることができた。
一期は主人公のアグレッシブさが新鮮だったなーぐらいの印象だったのだが、二期に入ってかなり好きな要素が増えこともあって原作も大人買い。ここまででこれだけのことをやっておいて、しかしそんなものなど些細なことにすら感じてしまうような展開が連続する!何度も「驚きどころはこれで出し尽くしたかな?」と思っても、それを上回るものが次から次へと出てくる。
- 作者: 諫山創
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
それこそ1巻進む毎に世界の見え方が一変してしまう。どこまで最初から構想にあったものなのかは分からないが、本作が話題になった当初「ツッコミどころ」とされていた事柄にもきっちり理由があったりと、作者の発想力には本当に恐れ入る。
本作が話題になった当初は絵に大分癖があって敬遠していたのだけど、そんなことは面白さの前ではどうでも良いことだった。コミックスを追うに足る面白さがあると思う。
原作と見比べてみるとアニメは忠実に1クール4巻ペースで進んでいる感じ(一期は8巻あたりまで、二期は12巻+α)。
映像的にかなり力が入っていて質が高いのは言うまでもないことだけど、今期のところを見比べてみると特にナナバさんの死に台詞あたりのアレンジは実に上手く原作をブラッシュアップしているように感じる。
原作の残弾は豊富だし数字だって固い作品だと思うので、今後のアニメ化も期待して待ちたい。