そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『ブラック・ミラー Season 1』感想

 ナルコスをSeason 3まで観終わって次は何のドラマにするか迷っていたんだけど、好きなジャンルであるSFもの(それも光線銃バンバン撃ち合う系じゃないやつ)ということで『ブラック・ミラー』を観てみることにした。

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 本シリーズはちょうど『世にも奇妙な物語』のような各話でそれぞれ独立した物語となっているが、その全てが「情報社会」を題材としたものである。後になって気づいたのだが、ブラックミラー=黒い鏡とは即ち液晶画面――テレビ・PC・スマホ――のことを指しているのだ。


 Season 1には以下の3作品が収録されている。

国家

 英国王妃が誘拐され、その開放の条件として首相にある「馬鹿げた要求」が出される。TV中継でお茶の間に醜態を晒せというのだ。

 はじめは当然拒絶するも、姫を見捨てれば支持率の低下は避けられない。やがて実行もやむ無しという状況となってしまう。その時首相はどうするのか?国民はどう反応するのか?

 他者の評判が個人の意思や人としての尊厳にすら優先してしまう情報社会の歪さをが描かれている。道具立ては現代劇そのものながら最もシリーズのコアの部分を表現しているように思う。

1500万メリット

 あるべき生活・あるべき運動をし、それで得られたポイントでコマーシャル混じりの娯楽を消費するだけの毎日。そこから抜け出すにはオーディション番組に出演して優勝し自分の番組を持たなければならない。

 男は女に恋をし、彼女の夢を叶えようとポイントを譲るのだが、それは歪んだ形で成就してしまう。その時男はある決意をする。

 人の不幸も批判すらも取り込んでエンタメとして消費してしまう社会のグロテスクさを描いた作品。エッジの効いたディストピア描写が好みですな。

人生の軌跡のすべて

 視覚を録画・再生できるチップが埋め込まれるようになった社会。全ての記憶は記録となり、あらゆる過去が検証可能な存在となった。だがそれは人を幸せにするだろうか?

 一個人としては結構忘れっぽいんで実現して欲しい部分もあるんだけど、一方で忘却というのもある種の機能なわけで、それが損なわれてしまうことによる弊害はある。

 後知恵的に考えたところではあるけど、確固たる「事実」はあったとしてもその意味づけは時間で変化するわけで、それをある時点で切り取って審判を下してしまうことが適切かというとそうは言い切れないと思うんだよね。


 こんな感じでピリッとブラックジョークの効いたドラマシリーズとなっている。マスメディア・SNSなど何を示唆しているのかを考えながら観ると面白いのではなかろうか。

 1話完結でどこから観ても間を空けても大丈夫という気楽さが良いですな。