そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『ブラックパンサー』感想

評判通りの力作だった!アフリカ系の音楽・美術は目新しく、アクションも格好良い。

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はるか昔、アフリカ大陸の奥地に隕石が落下した。隕石がもたらした鉱石ヴィブラニウムの恩恵により、驚異的なまでに文明を発展させた王国ワカンダ。災いを避けるため、王国は世界からその真の姿を秘匿した。

だが、いつしか王国の存在は武器商人の知るところとなってしまう。また、ソコヴィア協定の調印式のテロにより国王ティ・チャカが死亡する。

現ブラックパンサーであり王位を継承したティ・チャラは、王国を巡る戦いに巻き込まれてゆく。


物語のキーとなるのがキャプテン・アメリカの盾の素材としてお馴染みの鉱石ヴィブラニウム。運動エネルギーを吸収・制御することができ、単純に強固な素材である他、エネルギー源やステルス装置など、あらゆる超技術を実現する物質として設定されている。

そんなヴィブラニウムを利用すれば現在の常識を超えた超兵器を作ることができる。過ぎたる力は人の欲を誘い災いを呼ぶ。それ故に王国は身を隠し、その守護者としてブラックパンサーが存在するのだ。

単純に肉弾系ヒーローであるというのもあるし、ある種の「規範」を背負っているという面でどこかキャプテン・アメリカとも似た部分があって好みど真ん中なんですな。

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だが、人がいれば情報は漏れるもの。王国を守るためには時として非情に徹さなければいけない。同胞の悲劇から目をそらし、必要ならばかつての仲間を殺す。

あらゆる作用に反作用が伴うように、高潔な思想は必ずしも全てを善い方向へとは導かない。


何より本作の魅力は敵役キルモンガーだろう。最初は危険な快楽殺人者と思わせながら、その実は亡き父の復讐を遂げるため、そして大望である世界中で虐げられるアフリカ系の同胞を救うことを目的とする、ある種のダークヒーローめいた存在なのだ。

父により語られた遠き故郷の伝説が、皮肉にもその父の死によっておとぎ話の存在ではないと知る。それ以来、己の全てを犠牲としながらワカンダへの道を切り開いてゆく。悪役然とした背中が物語が進む毎にだんだんと格好良く見えてくるから面白い。

正当なる王族の血を引き、異なる形ながら同様に国を愛し、同質の力で戦う。ブラックパンサーとはコインの裏表のような存在なのだ。

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いやー、『クロニクル』のあのいかにも優等生な雰囲気だった役者さんだと知ってびっくりした。


家族、部族、国、人種・・・結局のところ、これは「身内意識」の問題なのだ。スコープを変えればどちらにも相応の正当性があり、しかしその「正義」の方向性は相反する。

(この手の話題だと僕はいつも『新世界より』を連想してしまう。)

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文学としては一般に「大きく」「長い」視点が尊ばれるし、本作もそれを踏襲した形で物語は結末を迎える。それはそれで収め方としては綺麗だと思う。

ただ、そういった高潔な思想が必ずしも個々の幸福には結びつかない。資源は有限で、理想は歪み、取りこぼされる者が現れる。だからこそ現実は難しい。

予告映像を見る限りでは次作『アベンジャーズ/インフィニティウォー』でもワカンダの要素がかなり入りそうだけど、この辺拾われると良いなーなんて思うところ。

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