色々と他の作品に浮気しつつも観終わったので感想をば。
WikipediaによればSeaon3からはNetflixの制作依頼になったらしく、それを反映してかお金かかってそうな話も多くなったんだけど・・・一方でネタ切れを感じてしまうような話やこのシリーズの趣旨を履き違えてるとしか思えない話も混じってきてしまうのが難。
先に述べた僕なりのこのシリーズへの期待は、「現在の情報社会を皮肉った寓話性」だったりする。その点で面白いと感じたのは以下の話数だろうか。
3-1. ランク社会
InstagramのようなSNS上にあらゆる行動をアップし、その星の数がそのまま本人の社会的評価に直結する社会。
一見すると皆が他人のために奉仕する理想郷にも見えるが、その実は他人からの低評価に怯えながら猫なで声でおべっかを使って星を送り合い、個性の表出どころかかえって単一の「望ましい価値観」に矯正されてしまうディストピア。
主人公レイシーはとあるミスを皮切りに、あらゆる行動が低評価につながってしまう悪循環に陥ってしまう。その様は滑稽でありながら、一方で現代の「SNS疲れ」の皮肉になっている。
3-3. 秘密
主人公ケニーはPCに感染したウィルスによってある「弱み」を握られ、何者かの指令に従ってとんでもない事態に巻き込まれてゆく。
「罪」かもしれないけどそれをあえて声高に喧伝するのが正しいのか、それを面白半分で裁くやり方の暴力性に問題はないのか。
方向性としてはSeason2の「シロクマ」と近いかも。
3-4. サン・ジュニぺロ
このシリーズには珍しくネットの「希望」の部分を描いた作品。
ネットによって身体性から解き放たれた者たちの暮らす都市。僕のネットの原体験であるCGI箱庭ゲームの「年齢も立場も違う人達が同じゲームをネット越しにやってる」感動と近いものがあって個人的にはグッと来た。
こういうの生きているうちに実現すると良いなあ。
4-2. アークエンジェル
いわば生体ペアレントコントロールとでもよぶべき技術が実現した未来。シングルマザーのマリーは愛娘を心配するあまりそれを導入するのだが・・・
愛する子を危険なものや汚いものから遠ざけたいと思うのは当然の親心ではあるけど、それが行き過ぎれば人権の侵害以外の何物でもない。
これら以外の話は確かに今の技術を下地に発想されてたりはするんだけど肝心の寓話性が無かったりしていて、「別にBlack Mirrorじゃなくてよいじゃん」って思ってしまう。
制作費が潤沢になったのか映像的には力が入った作品が多いんだけど、Season1・2の密度からすると、ちょっとがっかりする話数が多かった。
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