そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『いまから始めるWebフロントエンド開発』感想

 久々に技術ネタ。

 これまでのキャリア的にも自己認識的にも僕の主戦場はサーバサイド開発だと思ってるんだけど、何の因果か最近はフロントエンドとGKE使ったインフラ周りという、バックエンドのプログラム”以外”の部分をいじっている。

 Web全般が興味の対象ではあるし、方向性として「ゆるふわジェネラリスト」を目指そうと思っているのでそれ自体には特に不満は無いというかむしろ良い機会だと思ってはいるけど、これまであまり本気で取り組んできたわけではないので現実的な問題としてフロントエンド開発の知識が絶対的に足りなかった。

 よく言われることだけど、フロントエンド開発まわりは移り変わりは激しい。ここ2・3年で大凡固まってきたとはいえ、横目で見ていた程度の人間がいきなり入っていくには厳しいように思えた。

 何が辛いって、ネットの記事なんかをググっても書かれた時期によって使ってるツールが全然違って参考にならなかったり、ドキュメントを読んでも個別のツールについては分かっても全体感が掴めなかったり・・・。

 そんなわけで良い感じに情報がまとまった書籍は無いかとAmazonを徘徊していて目にとまったのが今回の書籍。最近の出版ぽいし説明読む限りではぴったりだし適度に薄そう。Kindleのみでの出版というところにはやや警戒心も沸いたけど、十分に安いということで思い切って買ってみた。

いまから始めるWebフロントエンド開発

いまから始めるWebフロントエンド開発


 内容は簡潔に

  • ざっくりフロントエンド開発をとりまく現状確認
  • npm、browserify、babelを導入して開発環境を整える
  • express、react、reduxを使ってTODOリストを作成する

といった流れとなっている。

 順を追って「なぜ必要なのか」を解説しながらツールを設定していくので、「よく分かんないけどなんか上手くやってくれる」みたいな状況に陥らず、地に足がついた形で学べるのが良い。

 es6の文法はまどろっこしさが無くて良いし、ちゃんと使えばnpm-scriptsはすごく便利だ。UIをパーツで扱えるreactの有り難みもなるほどよく分かった。

 雑誌より詳しく、ガチな技術書ほど回りくどくなく、ネットの記事よりも体系的なのがちょうど良い感じだ。分量としては一冊の本にするには短いのだが、だからこそ小回りの効くKindleでの出版に向くようにも思う。


 今回は学習を進めるにあたってGitlabにリポジトリを立ててコードなり操作記録なりを保存してたのだけど、これは後で見返したりする上で非常に良かった。後知恵で言えば、開発環境構築もAnsibleで記述すればなお良かったかもしれない。学習をGitで管理するのは結構おすすめ。

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 そんなこんなで学習したのだけれど、職場で使うことになったのはVue.js、Vuex、Webpackだったりするので、実のところ直接的にはそんなに役には立たなかった。ただ、それでも共通する部分は少なからずあるわけで、トレンドを把握しておいたことで理解しやすかったのは間違いない。

 こういう安価で良い意味で薄い技術書のスタイルも結構アリだなーと思った。

いまから始めるWebフロントエンド開発

いまから始めるWebフロントエンド開発



 ちなみにもう一つの「最近やってること」であるKubernetesとかGoogle Container Engineとかについてはもう一個のブログの方でちょいちょい書いてる。

blue1st-tech.hateblo.jp

『オブジェクト指向でなぜつくるのか』感想

新卒の頃、就活の面接で「オブジェクト指向を理解していますか?」という質問をされたことがあった。

その時は確か「一応、一通り教わった程度には・・・」的な回答をしたような気がする。

どういうものかという概念は分かっていたものの、それを十分に活用できるレベルかというと怪しかった気がする。

(にしても、今にして思えば随分と面接下手だったなぁ)


それでは今なら十分に使いこなせるかと問われると、正直なところ、恥ずかしながらそれほど自信は持てていない。

実際、現場に出てみると不適切なオブジェクト指向「もどき」による混沌としたコードを見かけることも少なくないし、 自分だってそれを上手く改善していけてたかというと怪しい面もある。

そんなわけで、一度基礎に立ち返ろうということで『オブジェクト指向でなぜつくるのか』を読んでみた。

オブジェクト指向でなぜつくるのか 第2版

オブジェクト指向でなぜつくるのか 第2版

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『14のフレームワークで考えるデータ分析の教科書』

14のフレームワークで考えるデータ分析の教科書

14のフレームワークで考えるデータ分析の教科書

ソシャゲの運用という仕事では何かとデータ分析を行う機会もあるということで。

近いところだと以前に『データ解析の実務プロセス入門』を読んでいたけれど、 あちらが仕事の進め方に沿ったツールの解説といった体裁であるのに対し、 こちらはもっと概念的な「考え方」を学べる内容となっている。

blue1st.hateblo.jp

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技術書『プログラマのためのDockerの教科書』感想

これまでウェブの情報を中心に使っていたけれど、 そろそろ実際のプロダクトでも使いそうな雰囲気が出てきたので、 ここいらで書籍としてちゃんと固まったものを一冊ぐらい持っておこうということで買ってみた。

プログラマのためのDocker教科書 インフラの基礎知識&コードによる環境構築の自動化

プログラマのためのDocker教科書 インフラの基礎知識&コードによる環境構築の自動化

「教科書」と銘打っているだけのことはあり、 なぜ今これだけDocker界隈が盛り上がっているのかという他のVMとの比較や技術的な背景の説明から マシンへの導入や実運用には欠かせない監視、 そして実際の運用を行う上で検討対象になりうる各種クラウドサービスまで手広く抑えている。

ことに導入編と銘打たれた第一部では、 Dockerの話以前のインフラを考える上で必要な基礎知識の部分にまで解説されているあたりが 「プログラマのための」の部分なのだろう。

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『データ解析の実務プロセス入門』感想、はじめの一冊に良さそう

データ解析の実務プロセス入門

データ解析の実務プロセス入門

サービスを運用していると日々溜まっていく、どうにも使いにくいログの山。

経営陣からの要請もあって何かとデータ集計のタスクが積まれることも多いが、 今ひとつそれが活かされているように見えなかったりする。

指示された値を取るスクリプトはそれなりに作れるが、 さてそれを実際のサービス運用にどう反映させていけば良いのか。

帯の文言が正に今の俺だなーということで手にとってみた。

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『Perlについて語ろう』読んだよー

YAPC おなじみ ゆーすけべー氏のKindle本。

Perlについて語ろう

Perlについて語ろう

僕は集中力ない・出不精・人見知りの三重苦エンジニアなので勉強会もカンファレンスも行かないから直接は知らないけれど、氏のブログを読んでMojoliciousを使おうと決めたり諸々の記事読んでWebアプリ作りてーなーと思ったりで勝手に一方的に親しみを感じていたりもする。


さて、本題の本について。

「入門本」と銘打っているだけのことはあって変数の使い方から始まるが、いわゆる言語の入門本的な手広く・散漫な感じとは違って、実際にバッチなりWebアプリなりを作ろうと思った際にぶつかりそうな課題について集中して段階的に書かれている。

理屈詰めというよりは実用的なモジュールとその使い方の紹介が中心といった感じ。


僕も業務でPerlを使っている手前ひと通り「やりたい事」はできるようになったが、それでもかなり「へーそんなのあったんだ」という発見があった。

やはり業務だとどうしても「引き継いだもの」に縛られてしまう部分もあるわけで、時にはこういった物を読んで0ベースから視点を広める価値はある。


元がWeb連載ということもあり本当の初心者からすれば少々説明があっさりし過ぎているような気もするが、『初めてのPerl』あたりを副読本として読み進めれば適度に目的を与えらえて良いモチベーションになるように思う。

初めてのPerl 第6版

初めてのPerl 第6版

そして本書を読み進め、ある程度自分なりにWebアプリが作れるようになった上で『Webサービスの作り方』を読むのがお勧め。

『Webサービスのつくり方』読んだよー - そんな今日この頃でして、、、

もっと早くに読みたかった!『Rubyによるデザインパターン』

そろそろちゃんとデザインパターンってもんを学んどこうってことで読んでみた!


デザインパターンについての技術書を探してみるとC++とかJavaとかを用いて説明しているものは沢山あるけれど、LLで解説している書籍はかなり少ない。(ことPerlなんかは後付け的にオブジェクト指向に対応した言語だから致し方ないが・・・)

そんな数少ないRubyでデザインパターンを解説しているのが本著。

Rubyによるデザインパターン

Rubyによるデザインパターン

  • 作者: Russ Olsen,ラス・オルセン,小林健一,菅野裕,吉野雅人,山岸夢人,小島努
  • 出版社/メーカー: ピアソン桐原
  • 発売日: 2009/04/01
  • メディア: 単行本
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普段仕事で使うのはPerlでRubyはかろうじて書ける程度だが、それでもRuby自体についても割と丁寧に説明されているので問題なく読み進められるのが良い。

本著の記述スタイルはおおよそ

  1. パターンの要点を説明
  2. ベタに実装
  3. Rubyの機能を用いたスマートな実装

という形になっており、他のLLの使用者でもかなり参考にできる部分が多いのではないだろうか。(あと、Rubyすげーよく考えられてるなーって感心する。)


無論学んだからといって最適解が自ずと出てくるというものはなくて、どれを適用するのが適切かを判断するには想定力と実装力が必要となるが、知っておくことによって自分の中での選択肢が広がるし、他のエンジニアに設計の意図を正確に伝達しやすくなるという利点もある。

そこそこ大きくて長期間運用してるプロダクトをやってるゆえ感じることだけど、「クソ設計だけど実装で頑張ってるシステム」と「設計は適切だけど実装が雑なシステム」だったら運用上は後者の方が遥かに救いがあるわけで、デザインパターン関連の書籍は是非とも初心者にも読んで欲しいと思う。

(タイトな工数とか担当エンジニアの質の問題とかで前者になりがちなのは致し方無いことではあるけど、そういう「無理くり間に合わせました」みたいなものを積み重ねることはハッキリ言ってリスクでしかない。)

個人的には本棚の手に取りやすい所にいつまでも置いておきたい一冊になった。

ことLLを使われることの多いWeb界隈のエンジニアには是非おすすめしたい書籍である、、、のだが残念ながら絶版らしいんだよなこれ。僕が手に入れたのはギリギリのタイミングだったらしく幸運だった。

ピアソンの技術書は書店在庫限りとの見通し。ピアソン桐原社がピアソングループ離脱で(追記あり) - Publickey


LL界隈の技術書って、個人的には

  • PHPは雑多な書籍が多すぎる
  • Perlは独自の世界に行ってしまった
  • Pythonは単純に母数が少ない

って偏見イメージを持ってて、その辺Rubyは「ちゃんと」オブジェクト指向してることもあって、勉強する上で良著が多いのが一つの大きな利点だなって思う。

たのしいRuby 第4版

たのしいRuby 第4版