アケコンのボタンの押下距離を短くして反応速度を高める試みの極地がマイクロスイッチの採用。
昨年後半あたりから続々とマイクロスイッチを搭載した製品がリリースされており、アケコンボタン型であれば
- FlashTap
- OneFrame
- PWS Blazeボタン
があり、最近ではPCB型のコントローラでマイクロスイッチを用いたものなんかも販売されているようだ。
【🎥Rushbox Click PV公開】
— moimate【公式】🎮 Rushbox Click祭 in TGS 09-E28 (@moimate_inc) 2025年9月19日
思考と同期する、その一撃のために。
🖱️ 0.3mmで反応するマイクロスイッチ
超浅アクチュエーションにより、思った瞬間、即入力。一瞬の差し返しや昇龍に、瞬間的に応える。
🛠️ 最大22+2ボタンの自由レイアウト… pic.twitter.com/y8KaRup15K
かくいう僕もFlashTap(クラウドファウンディング版)を購入していて、特にメインで使っているJPなんかでは下下コマンドの速度・精度が重要だったりするのでかなり気に入っていた。
だが、1年ほど使用した今年の7月頃になって下ボタンや右ボタンがチャタリングするようになってきてしまった。
キースイッチと比較してマイクロスイッチの方がカタログ上の耐久性は高いにも関わらず、並行で使用している別のコントローラのキースイッチは特に異常は見られず、先にFlashTapのマイクロスイッチの方がヘタってしまった形になる。
(例えばFlashTapで使われているマイクロスイッチkailh GM9.0はその名にある通り90,000,000サイクルなのに対してゲーム系では代表的なキースイッチであるCherry Mx Speed Silverは100,000,000サイクルなので、キースイッチ規格や製品にもよって変わるが、記載されている回数だけならそこまで劣るわけではなさそうなんだけど・・・)
これは推測になるのだが、キースイッチの中身はコイルバネなのに対してマイクロスイッチの内部は板バネであり、そのあたりの機械的な特性の差として圧力をかけ続ける(溜めやしゃがみやガードなど押し続ける)操作で劣化が生じやすいのではないかと思っている。
FlashTapの使用感はとても気に入っていたのでキースイッチ部分だけ取り替えられないかと試してみたけど、持っている半田ごての温度では外せそうになかったので断念。
諦めて製品版を新たに買うか?でもそうすると中途半端に変えて使用感が違うのを共存させるのもなんだし・・・と色々考えた結果、いっそ一度Blazeボタン試してみるかということで全ボタンを換装することにしてみた。

高コスパ
何を置いてもBlazeボタンの魅力なのが安価なこと。
OneFrameがボタン1個¥990、FlashTapがボタンキャップ¥110+ボタン本体¥790なのに対し、Blazeボタンは本国サイトでは$2.50と為替にもよるが半値程度。
僕の購買タイミングでは全14ボタン購入して送料を入れても¥7000弱だった。
ちなみにボタンと同量の交換用のスイッチも同梱されていてこの価格なので、マイクロスイッチのボタンの中ではかなりコスパの良い選択肢といえる。

マイクロスイッチが交換可能な構造
Blazeボタンの一つの特徴がマイクロスイッチが金具による固定になっていて、自分で引き抜いて交換することができること。

この端子の間隔というのはどうもマイクロスイッチでは共通の仕様のようで、端子の太さによる多少の相性はあるものの、お好みで別のものに付け替えることもできそう。
長期運用を考えると、自分でパーツ交換できるほうが同じ使用感で使い続けられるし、単純にボタンごと買い替えるよりも安価に済む。
先の推測通りアケコンのボタンとしてマイクロスイッチを使用した場合に低寿命なことが避けられないとするならば、この作りは合理的な気がする。
使用感
ボタンの内部構造としてキーキャップと接続するステム部分は、まっすぐ押下させるために低摩擦の樹脂素材のパーツが収まっている。
そして、ボタンキャップはツルツルした素材感のもので作られている。

FlashTapが軸のグラつきを積極的に活かすような作りであったことと対比すると、Blazeボタンは軸をグラつかせない方向で設計した、極めて「普通のボタン」の使用感を目指した作りであるように感じた。
おそらく以前のバージョンではこの内部構造の出来の問題なのか、「端を押した時の反応が悪い」という評判を目にしたが、今回届いたものに関しては使用してみている限りでは問題を感じなかった。

ボタンの作りというよりは搭載されているスイッチの差なのだが、Blazeボタン/huanoのものはクリック感や音も控えめになっており、FlashTap/Kailh GM9.0と比較するとマイクロスイッチの割には良くも悪くも押下感が弱く、一般のキースイッチのボタンと近いような使い心地に思えた。
「ちゃんと押した!」感は薄れる代わりに長時間プレイで疲れにくくなるとも思うんで一長一短である。
FlashTapの指に吸い付いてちょっと動かしただけで入力される感じが名残惜しい気持ちもあるが、Blazeボタンも反応速度の面では間違いなく高性能な一品なので、しばらくはこれで運用してみたい。
その他
ボタンの注文のついでにPWSのminiboxについてた滑り止めシートも購入して自作アケコンの方に貼り付け。

良い感じの滑り止め効果とクッション性があって、丁度よいサイズにカットされてる。
あえてこれだけのために注文するほどのものではないけれど、他に買うものがあるなら安価なんでついでに買ってみるのもアリだと思う。

