そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『メタルギア ソリッド スネークイーター』を読んだよー

メタルギアソリッド3はメタルギア・サーガ内の時系列における一番最初にあたる「ビッグ・ボス」以前の物語であり、その後のストーリーの鍵を握る人物たちのバックグラウンドが明らかになる重要なタイトルであった。

スネークとザ・ボスとの関係性が主軸となり、なぜビッグ・ボスが反乱を起こすに至ったのか、その原点がさながら映画のような重厚なシナリオで描かれていた。

しかし一方で、中ボスにあたるコブラ部隊やヴォルギン大佐については描写が浅く、どうにもビックリ人間ショーと脳筋司令官という印象の域を出なかった。


シリーズのノベライズとしては前作にあたる、伊藤計劃著の『メタルギアソリッド4』では、中ボスであるBB部隊を完全に省くという思い切った構成により、本筋である旧作からのキャラクターの因縁を丁寧に描いていた。

それとは対称的に本作では、元のゲームシナリオでは描写の薄かったコブラ部隊やヴォルギン大佐を補完し、その動機や行動に人間味を与えることに成功している。

続きを読む

2013年に読んだSF小説

昨年は何かとSFジャンルの小説を読む機会が多かったので、折角なのでまとめてみた。

『一九八四年』

一昨年末あたりに『1Q84』読んだり、なにかとタイトルを見かける機会があったので興味があって読んでみた。

古典的な「一部の権力者が強権的に支配し、市民が自由を奪われているディストピア」を描いた作品であるが、その支配の要となっているのが「情報の管理」であることが興味深い。

作中で『情報をコントロールできれば過去を書き換えることでき、過去を書き換えることができるということは未来を支配できる』という言葉が出てくる。

作中の文章を伝える空気伝送管や監視カメラの想像力は、そのまま現在のSNSにつながるものがあるように思う。

ただ一つ違うのは、その監視を行うのが一部の支配者ではなく、万人が他人を監視する世の中になっているということだろうか。

『すばらしい新世界』

『一九八四年』と双璧を成す古典ディストピア小説。

当時本作をネタ元(?)にした『新世界より』のアニメがなかなかおもしろかったこともあって読んでみた。

すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫)

すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫)

先に読んだ『一九八四年』では「不自由な生活を強いられる市民」の存在が如何にもなディストピア像を作り出していたが、本作では真逆の一見ユートピアのような世界を舞台としている。

市民は科学技術の発展によりあらゆる苦痛から開放され、あらゆる快楽を謳歌する。

人々の欲が経済を回すシステムの裏側で、それに反するあらゆる要素が否定され、居場所が無くなってしまう。

『一九八四年』が共産主義的想像力の上になり立っていたのに対し、本作ではその対極としての資本主義の延長上にもディストピアがあり得るという想像力が面白い。

『ハーモニー』

新世界より』と共に『すばらしい新世界』的な世界観の作品として挙げられていたので読んでみた。

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

新世界より』が『すばらしき新世界』のファンタジー化(正確には・・・)した世界であるとすれば、本作は舞台を現実的な近未来に持っていたような世界であるように思う。

全ての人々が社会的リソースとして重んじられ、タバコや酒その他あらゆる「悪そう」なことは制限される、PTAが全世界を支配しているかのような世界が舞台。

最初は文体に読みにくさ(実はこれにも重大な意味があり、最後に明かされる)に戸惑うが、中盤以降からのスピード感と驚愕の展開の連続には引き込まれる。

そして、僕らがほとんど無意識的に受け入れてきた「ある前提」を揺さぶられることになる。

その他伊藤計劃著作

『ハーモニー』があまりにも気に入ったため、伊藤計劃氏の著書を大人買いしてしまった。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

『ハーモニー』でも言及がある過去の世界、そして現実の世界からすると近未来の世界を舞台とし、米国のテロを防ぐことを目的として特殊部隊の隊員が主人公。

メタルギアソリッド好きならば刺さること間違いなしの「ミリタリー」「アクション」「テクノロジー」そして「陰謀」の要素が散りばめられている。

そして『ハーモニー』にもつながるテーマを垣間見ることができる。

ゲームのノベライズであり、基本的にシナリオに逸脱しない話ながら、その中で存分に伊藤計劃色を出しているのが凄い。

The Indifference Engine

The Indifference Engine

虐殺器官』と『ハーモニー』の間に書かれた短編集。

個人的にお気に入りなのは007をモチーフとした『From the Nothing, With Love』。

シリーズの役者の代替わりをネタとしつつ、更にそこに『ハーモニー』につながるテーマを入っている。

Gene Mapper

セルフパブリッシングで異例の大ヒットということで話題になった本作だが、著者は原稿を通勤中にiPhoneで描き上げたというからより驚く。

Gene Mapper -full build-

Gene Mapper -full build-

SFに限らず多くの文学作品において「反科学・反権力・反資本」のスタンスからの視点で、それはそれで面白くはあるのだが、それが行き過ぎると人の進歩への否定になっていたりもする。

詳しく述べるとネタバレになりそうだが、本作はそういう前提をスパッと切っているところがエンジニア的に凄く共感できた。

また、結構Web関連の技術ネタが出てくるので、このあたりのジャンルの人は凄く楽しめるのじゃなかろうか。

『いま集合的無意識を、』

伊藤計劃への言及があるということで読んでみた。

正直なところを言えば、表題作についてはあまり面白いと思えなかったのだが、『戦闘妖精・雪風』のスピンオフ作品である『ぼく、マシン』のパーソナルコンピュータ観には共感できた。

戦闘妖精・雪風』シリーズ

『いま、集合的無意識を』からの『戦闘妖精・雪風』。

戦闘妖精・雪風(改)

戦闘妖精・雪風(改)

タイトルや断片的に得ていた情報から「SF要素もある空戦もの」なイメージを持っていたが、意外な程に本質は哲学的SF作品だった。

それぞれの巻でそれぞれ表現方法が異なっているのが凄い。

『言壺』

神林長平作品ということで。

言壺

言壺

「言語」と「ネットワーク」が交差するとき、人の意識が揺らぐ。

『言壺』感想 - そんな今日この頃でして、、、

マルドゥック・スクランブル』シリーズ

タイトルは何度か耳にしたことがあり、また攻殻機動隊ARISEの脚本の人だってことで。

設定的には攻殻機動隊ライクな義体使いの少女バロットの活躍する物語なのだが、あちらはひたすらハイレグ少佐のハッキング能力と人間離れしたアクションで動かしていく話だったのに対し、こちらはどちらかというと強化された知覚能力に焦点をあてて動かしているのが面白かった。

その他

『マイノリティリポート』、映画が凄く好きなんだけど、原作は全く話が違って驚いた。

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

評判は良かったんで読んでみたんだけど、正直あんまり楽しめなかった。

人形つかい

人形つかい

ちょっと期待したのと違った。

どうも僕はアメリカ人的な宇宙人ならなんでもあり感て苦手。


あと漫画だけど、

まさかの士郎正宗原作、六道神士絵ということでどんな感じだろうかと怖いもの見たさで買ってみたが、蓋を開けてみれば全く違和感なかった。

よくよく考えれば両者ともエロ・アクション・メカな画風を得意としてるわけで、実は順当なコラボだった。

中身はというと割と(漫画の方の)攻殻機動隊寄りの義体使いの少女の話。

とりあえず続刊も買って行きたい。

さて今年は

僕はこの年代にしては珍しくドラクエシリーズをやったことはないし、幼少〜少年期に漫画アニメに縁がなかったこともあり、これまでの人生であまり「ファンタジーもの」を通過しなかった。

そのせいで、近年流行している「ファンタジーパロディーもの」を十分に楽しめていないような気がして勿体無く思っていたりする。

そんなわけで、今年はKindle版も出たことだし『ロードス島戦記』シリーズあたりに手を出してみたい。

SFでは、『マルドゥック』シリーズの続編とか『動物牧場』とか、あまり評判は良くないのだけど『屍者の帝国』あたりを読んでみたい。

Metal Gear Solid 4 クリアした!

レガシーコレクションもMGS2〜3とこなし、PWはPSPでやってたので飛ばして最後の4を遂にクリア!


ストーリー自体は伊藤計劃氏のノベライズを読んで把握はしていたのだけれど、やっぱり映像で観て実際に操作してこそ味わえる感動はあるなぁと思った。

「体験する映画」としてのゲーム

MGS3ではストーリー性や演出が映画を意識したものになっていたが、本作ではさらにそれが強化されている。

章の終了→章の開始→ブリーフィングと、かなり長時間のムービーが含まれる。

これはゲームとしてみると好き嫌いの分かれるところであるが、僕はゲームをする欲求が「クリアする爽快感」よりも「ストーリーを楽しみたい」という成分の多い方なので、なかなか楽しめた。

(トイレに行くタイミングが掴みづらいのは参ったけど)

大きく変わった操作感

2→3でも操作系の変更はあったが、今回のLRを多様する操作は完全に別種のゲームになったような感覚がある。

個人的には「もはやここまでやるならFPSにしろよ」ぐらいにも思うが、あくまでステルスで進むのが本道なので致し方ない。

ちなみに今回はミッション中でも弾薬や武器を買えるシステムなため、リソース管理に悩まされることはない。

スコアさえ気にしなければ、ガンガン戦闘を楽しむこともできる。

MGSサーガの総決算

小島監督が発表時に「シリーズの謎を全て解決し、ソリッド・スネークの物語は完結する」と言っていたが、まさにそれに相応しいシナリオだった。


ナオミや雷電、そしてもちろんオセロットなど、これまでのシリーズで生存していたキャラクターが敵味方それぞれ一気に出演。

シリーズを通してプレイしていると、「なるほど、ここで登場か!」というある種の感動がある。

(僕はMGシリーズは知らないのでなんだが、そっちから小ネタ的に出ているキャラもいるらしい)

そして終盤から結末にかけては、これまでのシリーズでは黒幕として朧げにしか言及されなかった「愛国者たち」の正体が明かされる。

これまでスネークに関わってきた人々の行動原理と「愛国者たち」との関係性が綺麗に一本につながる。


SF・巨大メカ・ミリタリー・政治・陰謀・アクションと、おそらく多くの男子が好きな要素が詰まったMGSシリーズ。

そのシリーズが一つの完結をみる、まさに記念碑的な作品となっている。

MetalGearSolid2と3クリアした!あとtorneアップデートしたった!

レガシーコレクション進める今日この頃。

シリーズはPSの無印、PSPのPW(あとPOとACIDも)やってきたが、ゲームとしてもストーリーとしても飽きない面白さがある。

MGS2


Metal Gear Solid 2 [E3 2000] Trailer - YouTube

流石に前に「Last of the Us」をやってからのPS2初期のゲームはヴィジュアル的にも操作性的にもキツイなーというのが第一印象。

俺のエリーがこんなにアグレッシブなわけがない 〜The Last of US感想〜 - そんな今日この頃でして、、、

昨今一般的なキャラの背後をカメラが追従する視点ではなく、場所場所での固定視点なのは今やるとちょっと辛いなという感じはある。

まあそれも話を進めていくうちに十分慣れられる程度のレベルだが。


本作は発売当時、スネークを操作することができないということかなり顰蹙を買っていた。

しかし、逆に言えば他者から伝説の兵士「スネーク」をみる貴重な作品であり、MGSサーガ全体の流れでいえば「愛国者たち」が初めて本格的に登場する重要な作品でもある。


ゲームの構成としてみると、やたらと操作しずらい水中ステージがあったり大半が爆弾探しのお使いに費やされたりでかったるい印象もあるし、終盤の過剰なSFっぽさには異物感があるにはあるが、それでも押さえておきたい作品であることには変わりはない。

MGS3


Metal Gear Solid 3 Snake Eater Trailer [HD] - YouTube

MGS2からするとヴィジュアルも操作性も隔世の感がある。

キャラの表情はより人間的になり、操作の自由度もグッと今時っぽくなっているが、これでも発売はPS2時代のものなのだから驚きだ。

そして何よりシリーズの「始まり」が語られる作品でもある。


力の入ったOPから始まり各種のセリフから展開まで映画っぽい演出が魅力。

スパイ映画のようにスリリングな展開と、それでいてランボーのような激しい戦闘も楽しめる。


ゲームとしてみると、時代設定の関係でレーダーなどが無くなり難しくなったかなと思ったが、スコアさえ気にしなければ割と力押しでいけた。

前作と比べると全体にそこまでストレスフルな要素は少なく、かなりストーリーに浸れる作りになっている。

その他:Torneアップデート

今日(2013/12/12)はtorneがv4.5にアップデート。

PlayStation®3(PS3®)専用TVアプリケーション「torne(トルネ) ™」PlayStation®Vita専用TVアプリケーション「torne(トルネ) ™ PlayStation®Vita」12月12日(木)にオンラインアップデートを実施~録画番組へのチャプター自動生成機能を追加~~ニコニコ実況連携機能をPS3®専用TVアプリ「torne(トルネ)™」に追加~ | プレイステーション® オフィシャルサイト

内容は視聴および録画がニコニコ実況への対応チャプターの対応

チャプターの方はnasneが録画中でファームのアップデートができないので体感できてないが、ニコニコ実況の方はなかなか面白いなと思った。

ニコニコ実況

視聴画面の△ボタンメニューから選択できる。

Twitterのタイムライン表示が映像を小さくして右側に表示する形式なのに対して、こちらは小さくした映像枠の外側に文字が流れる形式。

折角ニコニコ形式なのだから映像枠を小さくせずに文字を重ねてくれた方が良かったのになという気はするが、文字で画面が見えないような状況を作らないための配慮なのだろうか。


実際にこの機能を使ってみると、既存のTwitter連携機能の上から下に流れるタイムライン形式よりはるかに流し読みがしやすいことに気付く。

これは左から右に読むという文章の特性と流れ方が一致していることと、個別の枠では無く画面全体で「雰囲気」で読めることに起因している。

会話するには向かないが一緒に盛り上がるには最適な形式であり、改めてニコニコの先見性を感じる。


また、地味に面白いなと思ったのがコメントの分速をグラフ化する機能

例えばスポーツ観戦などの録画で美味しいところだけをサーチして観ることができそう。


チャプター

朝のニュースを録画したところ、画面の転換が大きく変わる所に自動で区切りを入れてくれてるように感じる。

適切ではないなと感じる箇所もあるものの、通常の報道と天気予報への区切りとか最後のまとめとかについては綺麗にチャプター化されていた。

これまではLRで大雑把に移動して微調整したり、シーンサーチで目を皿にして目的の場所を探していたが、左スティックで必要なチャプターにすぐ移動できるようになったのは凄く楽で良いなと思う。



僕の実家は数少ないPSXを持っている家庭で、アレは「録画もできるゲーム機」という感じだった。

しかし、torneはテレビの視聴体験について通常の録画機とは異なるベクトルの価値を提案しているところに好感が持てる。

torne (トルネ) (CECH-ZD1J)

torne (トルネ) (CECH-ZD1J)

iPod登場からのApple躍進以降、何かと比較され貶されがちだったSony製品ではあるが、ことこのtorne/nasneシリーズについては本当にクールだと思う。