そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『バーナード嬢曰く。』1・2・3巻感想

遅ればせながら流行りに乗って読んでみた。

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)

(自称)読書家の自意識をくすぐるネタが満載で、共感できてクスっと笑えて、たまに「へー」っとなってなるほどなかなかに面白い。

今季やってるアニメはちょっとテンポがダルくて(てーきゅう脳)、 絵が妙に小奇麗になってしまって作風のゆるさと合わない気もするので僕は漫画の方が好きかも。

バーナード嬢曰く。 [Blu-ray]

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(とか面倒くさい感想をもったりするあたり、まさに本作のターゲット層な気がする)

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最近観たもの読んだもの

漫画『かくしごと 1巻』

かくしごと(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

かくしごと(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

『絶望先生』からドハマリした久米田康治先生の新作。

ここ十年ぐらいでよく見るようになった父子もの、と表現してしまうとなんだか陳腐だが、 業界ネタと時事ネタにチラリと垣間見えるハートフルさのさじ加減は個人的に好み。


せっかち伯爵と時間どろぼう(1) (週刊少年マガジンコミックス)

せっかち伯爵と時間どろぼう(1) (週刊少年マガジンコミックス)

前作『せっかち伯爵と時間どろぼう』は『勝手に改造』を彷彿とさせられる不条理ノリで、 1巻だけ買ってはみたもののあまりハマれなかったが、 本作は購読していこうと思った。


映画『CABIN』

キャビン スペシャル・プライス [Blu-ray]

キャビン スペシャル・プライス [Blu-ray]

普段はホラーは好んでは観ないのだが、同僚の勧めもあって観てみた。

馬鹿な若者たちが人里離れた別荘へバカンスへ。しかし、そこには恐るべき秘密があり・・・ というホラーの定番シチュエーションを逆手にとった作品。

いわゆるホラーっぽさやバイオレンスっぽさは割と控えめで、 「なるほどそうくるかー」という感心とクスッと笑える場面の方が多かった気がする。

ただ、そういうものとして聞いた上で観たということもあるし、 作中でもかなり初期から「舞台裏」が見えるような作りだったので、 いわゆるサスペンスとしての「驚き」はないかも。


漫画・アニメ『僕だけがいない街』

僕だけがいない街(1)<僕だけがいない街> (角川コミックス・エース)

僕だけがいない街(1)<僕だけがいない街> (角川コミックス・エース)

僕だけがいない街 上(完全生産限定版) [Blu-ray]

僕だけがいない街 上(完全生産限定版) [Blu-ray]

いやー、面白かった。

意外と現代と過去との絡みが薄くて個人的には拍子抜けだったりはしたけど、 忘れてしまった過去、取りこぼしてきた友情を取り戻す物語にはかなりグッと来た。

漫画を読んだ上でアニメを見ると、上手く尺に合わせてアレンジしたなーと思う。


特撮『仮面ライダーアギト』

『クウガ』観たからには、ということで。

前作が現代風にアップデートされた王道だったのに対し、 本作では複数のライダーがそれぞれの立場なりに苦悩し時に対立する物語となっている。

特にライダーになろうとする者・氷川=G3あたりのキャラ設定は秀逸で、 初期は演技に不安感もあったものの、物語が終盤になるにしたがってついつい応援したくなってしまった。

「人類の進化としての超能力」みたいなバックグラウンドも、昔のアメリカのSFのようで趣向にあっていた。

一方で前作から引き継いだフォームチェンジ要素については、 あまり物語的な脈略もなく使われてる感じがあって勿体無いようにも思えた。

あと最初期の遺物はもうちょっと物語的に活かしても良かったんじゃないかと思う。


小説『マルドゥック・フラグメンツ』

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

『スクランブル』の前日譚や最後の戦闘をボイルド側から描いた短編など。

それなりに楽しめた気はするんだが、やはり絶対的な量が少ないこともあって一冊としての印象は薄いかも。


漫画『波よ聞いてくれ 2巻』

波よ聞いてくれ(2) (アフタヌーンコミックス)

波よ聞いてくれ(2) (アフタヌーンコミックス)

ハイテンポに繰り出される小ネタもラジオDJという題材もめっちゃ好み。

ジェットコースターのような展開に引き込まれる。


小説『マトリョシカ』

マトリョシカ

マトリョシカ

電子世界を舞台とした、タイトルどおり入れ子構造をテーマとした物語。

『WATCHMEN』感想

ウォッチメン [Blu-ray]

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本作は個人的にはアメコミ映画の見方が変わった思い出深い作品だったりする。

個性的な(あるいはパロディのような)ヒーローたちの活劇を描きながら、 その裏で政治風刺や「正義」という概念の危うさへの洞察、 そして人知を超えた者の思考への想像力など様々な魅力を含んでいる。

この手の話題だと世間的には『ダークナイト』の方が挙がりがちだけど、 個人的にはこっちの方が皮肉が効いてて好きなんだよな。

ダークナイト [Blu-ray]

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さて、前から常々気になっていた原作漫画を読み終えたので、 改めて感想をまとめてみた。

WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)

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  • 作者: アラン・ムーア,デイブ・ギボンズ,石川裕人,秋友克也,沖恭一郎,海法紀光
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(情報量がめちゃくちゃ多くて読むのに結構時間かかった。)

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『アオイホノオ』感想、エンジニア的に共感できて面白いやら痛いやら

昨年にはドラマ化され、柳楽優弥の怪演でも話題になった本作。

かくいう僕も再放送で後発ながらハマったくちで、原作漫画も全巻買い集めていたりする。

アオイホノオ(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

アオイホノオ(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

先日リリースされたAmazonプライムビデオのラインナップにドラマの方が入っているので、 暇を見つけては観なおしたりしている今日この頃。

第1話

第1話


さて本作は何が面白いかといえば、 オタク的なウンチクやら熱血マンガ的な暑苦しいリアクションやらももちろん魅力ではあるんだけども、 個人的には職業観みたいなとこで共感できて楽しいような痛々しいような気分にさせられる。

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最近読んだ本『蘇る伊藤計劃』『SFマガジン700 国内篇』『ライチ☆光クラブ』『越天の空 下巻』

蘇る伊藤計劃

蘇る伊藤計劃

蘇る伊藤計劃

ここのところなにかと持ち上げられがちな伊藤計劃氏についてのムック本。

映画3作の監督のインタビューやら評論やら未収録の短編やらが載っている。

この「持ち上げ」はSFというジャンルを盛り上げるための半ば意図されたものだったんだなーとか、「夭折の作家」などとシリアス風味で宣伝されるけど実のところ結構茶目っ気ある人だったんだなーとか。

結局のところ何が「蘇る」なのかは残念ながら読み取れなかったが、ともあれ様々な視点からの「伊藤計劃」が見られて面白かった。

SFマガジン700 国内篇

SFマガジン700【国内篇】 (創刊700号記念アンソロジー)

SFマガジン700【国内篇】 (創刊700号記念アンソロジー)

「SFとは何か」というのは極めて難しい問いである。

「科学的な空想」という語義そのままに考えるならばこの世のありとあらゆるものは科学的であるわけで、恋愛小説だってSFだとこじつけられなくはないし、果ては物語という形態そのものに挑戦したような作品だってSFとなりうる。

およそ人の持ちうる想像力の到達点、それがSFなのだ。

この本はそんなSFの幅の広さを思い知らされる短編集だった。

最初の手塚治虫の『緑の果て』のようなド直球なものから秋山瑞人の『海原の用心棒』のような意思の存在について考えさせられるよなもの、円城塔の『Four Seasons 3.25』のような物語という概念そのものを利用したものまで、様々な種類の「SF」を満喫できる。

ライチ☆光クラブ

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

少年たちの狂気と機械の自我のめばえ、そして崩壊。

大人たちや周囲の世界を「醜い」と唾棄するが、着実に近づいていってしまうジレンマ。

古くは『十五少年漂流記』や『蝿の王』、アニメでも『無限のリヴァイアス』や最近だと『鉄血のオルフェンズ』のような「年少者の社会」ものが好きな人間としては、短いながらもエッセンスが凝縮されていて面白かった。

妖しい雰囲気と絵柄が非常にマッチしている。

越天の空 下巻

越天の空 (下)

越天の空 (下)

実のところかなり前に読了していたのだが・・・

上巻後半からグッと政治要素が増して面白くはあったのだが、一方で(読むのを中断していた期間が長かったせいもあってか)終盤の急展開には正直ついていけなかったこともあり、賛否いずれの感想も持てなかった。

blue1st.hateblo.jp

最近読んだ本いくつか

『Boy's Surface』

Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)

Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)

恥ずかしげもなく正直なところを言えば、僕はこの作品の面白さを完全には理解できてはいない気がする。

僕が特に好きな小説のジャンルの一つに「言語SF」というのがある。

人の思考というものは凡そ言葉に基づいてなされる。

故にそこに仮想を挿入するということは、大袈裟にいえば人の認識そのものへの挑戦であるとも言えると思う。

だが本作は、それを更に先へと推し進め「物語という概念」そのものに挑戦したような作品なのではないかと思えた。

再読を要する。


『ニューロマンサー』

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

お馴染み『マトリックス』や『攻殻機動隊』の元ネタであり、サイバーパンクというジャンルを世に知らしめた作品。

SF好きを気取る以上はおさえておこうということで読んでみた。


本作といえば最初の舞台が未来の日本ということでも有名なのだが、これが思った以上に『ニンジャスレイヤー』の世界観でなんだか面白い。ニンジャも出てくるしね。

文章はやたらと"用語"が出てくるし言い回しも独特でお世辞にも読みやすいとはいえないが、「なるほどこれがあれの元ネタか」という発見を楽しみに読み進めることができた。

アジアンな小汚い未来都市像や人権をかなぐり捨てたサイバネ技術、そして人格をネットへの没入するというアイディアみたいな外面部分なんかは分かりやすいところだが、人間・元人間・人工知能と様々な「知性」がネットを闊歩する中で「人格」の境界がどこかを探るというテーマ性がこの頃から確立されていたことには驚かされた。


『PSYCHO-PASS ASYLUM 1』

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASSシリーズは何度か言及したように僕の中ではそんなに評価が高くないのではあるが、近いテーマ性を上手く消化していて面白かった『パンツァークラウン』の著者による作品ということで読んでみた。

前後篇立てで前篇がシリーズの黒幕たる槙島聖護の片腕であるチェ・グソンの生い立ち、後篇が1期最終回に執行官の身でシビュラシステムの真実に辿り着き殺された朧秀星の物語。

僕がこのシリーズが好きになれないのはひとえにシビュラシステムと色相判定まわりの設定のガバガバさに起因してたりするんだけど、本作はそのあたりには切り込まずにあくまでガジェットとして扱うに留めているのが個人的には好感触。

文章自体も正直読みにくかった前作に比べると良い意味でマイルドになり読みやすかった。


『波よ聞いてくれ 1』

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

エロにバイオレンスにギャグまでこなす、マイ・フェイバリット漫画家 沙村広明氏の最新作。

コメディ主体という意味でも強くて弱い姉御肌のキャラが主体という意味でも『おひっこし』に近い方向性。

酒場で愚痴った失恋話がふとしたキッカケで地方局のラジオで流され、あれよあれよでラジオパーソナリティーの道へ。

持ち前のテンポの良さとギャグセンスで一気に読まされる。

しかしこの人同時に何本シリーズ持つつもりなんだ・・・


『ベアゲルター 2』

ベアゲルター(2) (シリウスKC)

ベアゲルター(2) (シリウスKC)

またもや沙村広明氏。

こちらは打って変わって陰謀30%バイオレンス30%エロ30%ギャク10%なタランティーノ的活劇娯楽作品。

徐々に明かされる島をとりまく製薬会社とヤクザの秘密。

復讐に燃える義手の女にうなる仕込み銃ヌンチャク。

次巻がめっちゃ楽しみなんだけど、結構待たされるんだろうなぁ。


『春風のスネグラチカ』

春風のスネグラチカ (F COMICS)

春風のスネグラチカ (F COMICS)

三度沙村広明氏。

これはだいぶ前に読んだんだけど、書くタイミング無かったからね。

1933年、ロシア帝国が崩壊しソビエト連邦となった国を旅する車椅子の「姉」とそれに付き従う眼帯の「弟」。

没落貴族、雪深い村、秘術。

氏の手広さにはただただ驚くばかりだが、結局のところ「フェチズムを良くわかってるよね」ということに尽きるのかもしれない。