そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

『Webサービスのつくり方』読んだよー

Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)

Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)


どんな本か

本書の構成は「心構えと下準備」「企画」「設計」「開発」「プロモーションと運用」の5章からなる。


書店のプログラミング関連の棚によく平積みされてるような「〜を使ってウェブサービスを作ろー」的な本だと環境構築から開発ぐらいが関の山なんだけど、本書は比較的サクッと読める分量ながらも「ウェブサービスを作る」ということの全体を手広くカバーされている。

そう言ってしまうと広くて浅い感じなのかと思ってしまうが、本書に関してはかなり実際的で具体的なことが多く書かれており、「薄く」はあっても「浅く」はないなという印象をもった。


以下面白いなと思った内容



哲学とアイディアとコンセプト

「企画」の章では哲学→アイデア→テーマ→コンセプト→名前→デザインの順に企画を具体化させて行くべきという内容が述べられている。

実際本職でも「何をつくるかという意志が固まっていないためにプロジェクトが一向に進行しない」みたいな状況を間近に見ているため、このプロセスの重要性は骨身にしみて感じる。

僕が見ている現場について考えると、プロジェクトが揺らぐ原因は本書で言う所の哲学とアイディアとテーマとコンセプトがそれぞれ明確化されていないことのように思う。

本書に従って言うならば
哲学はサービスを考える上での確固たる価値観
アイディアは哲学を実現する方法
テーマはサービスがどの領域で勝負していくかという方向性
コンセプトはテーマを具体化したもの
図にすると以下のような感じ。

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哲学という軸なしにアイディアだけ大量に出しても具体案を固めるには弊害にしかならないし、テーマが定まらなければどっちつかずなプロダクトとなってしまう。

環境構築と開発

いわゆる「ウェブプログラミング入門書」では古典的なApache+mod_cgi+MySQLあたりを環境として書かれるのがほとんどなように思うが、本書ではNginx+Starman+memcached+MySQLというかなりイマドキで実際的な環境が挙げられている。

このあたりはPerlを使う人でなければそのまま参考にすることはできない部分ではあるが、古典的な環境での性能的限界とそれに対するアプローチの考え方が書かれているため、その他の言語使用者でもそれなり参考になるのではないかと思う。


また、開発を効率化するためにWAFやCSSフレームワークを積極的に使うこと、そして使い慣れた自分なりの雛形を作っておくことが勧められている。

ここは僕も社内管理画面でMojuliciousLite+TwitterBootStrapを活用するようになってからすごく恩恵を実感するところだったりする。
管理画面づくりとmojoな話 - そんな今日この頃でして、、、

単純に作業量減るというだけではなく、
・より本質的な価値を高めることに注力できる
・構造に統一感があることにより技術的に蓄積していくものが大きい



感想

意外と具体的な環境に合わせて書かれているため予備知識ゼロで読むには辛いし、かと言ってこの一冊を読みこめば何でもできるようになるというほど手厚い内容ではない。

特に開発の部分ではPerlを使わないと何のことやらと思う部分も多い気はする。

しかし、サービスを思いついてから運営するまでのことが網羅的に書かれているため、自分に何が足りていないかを把握して今後の学習の方針を定めるのには良いと思った。


全くの素人がタイトルを素直に受け取って参考にするには厳しい気がするが、「Apache+mod_cgi+MySQLである程度意図したものは作れる」位の人が読むと得るものが大きいと思う。



あと僕は無料なのを重視してHeroku使ったりしていて気楽に使えて良いなとは思うのだけれど、結構PaaS環境独自の知識が必要だし環境構築や運用の知識が付きづらいしで、本書で勧められているようなVPSを借りる方が総合的には良いかもなぁと思ったり。
Sinatra@Heroku とりあえずHerokuで何か動かしたい人向けメモ - そんな今日この頃でして、、、

Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)

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近況

社内でRuby勉強会に参加するために『たのしいRuby』を読み進める今日この頃。

たのしいRuby 第4版

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前に個人で学習してた時は、より具体的な使用例が書かれていた『作りながら学ぶRuby入門』を参考にしていたのだけれど、それと比べるとより根本からの説明になっていて、Rubyという言語を理解のには適しているように思う。
Rubyの学習 第7部&まとめ - そんな今日この頃でして、、、

結構読みやすく、確かにRuby入門書の定番と言われるだけのことはある。