3部作の1作目、ストーリーの導入部ということでなかなか確定的な感想は言い難いとこだけど、とりあえず。
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アニメ<物語>シリーズを特徴づける要素は何だろうと考えると、 アヴァンギャルドな映像表現やコミカルなパロディネタなど色々思いつくところだけど、 そのひとつが原作の卓越した言語感覚を活かしたモノローグだろう。
だが本作ではその一切が排されている。
映像作品において「モノローグがあること」の意義はといえば、 キャラクターへの移入を促すとか物語に回想感を出すとか、 あるいは単にシーンの間を持たせるような効果が期待できることだろうか。
翻って本作でそれが無い理由を推し量ると、 キャラクターに対してあくまで第三者としての視点を設定することを狙っているのかなという印象を受けた。
(いやもしかしたら単に円盤でつけて売るっていう完全版商法かもしれないけどね。)
これがどう効いてくるかは、残り2作を待たなければ分からないところ。
ただ、先に述べたように本シリーズにおいてモノローグが果たす役割は少なくないように思う。
冗長な映像表現の間を持たせ、 心象風景のような背景の場面転換の分かりにくさを緩和し、 ギャグを補完し・・・
それが無くなったことで、 ただでさえストーリーとしての情報量が薄い本作は、 より間延びした印象となってしまった。
映像がオサレなのは分かったから、ちゃっちゃと話を進めてくれ・・・そんな気分にさせられる場面が少なからずあった。
そんなこんなで今のところ正直あまり満足度は高くなかった本作ではあるが、 それでも画的な魅力がある事自体は間違いない。
それに物語としても、 キスショットの態度は時系列的には後となる他のシリーズとの対比を考えると面白いし、 久々の(シリーズの時系列的には最初の、だが)忍野メメやヴァンパイアハンター3人の登場にはワクワクさせられる。
(昔過ぎて流石にちょっと忘れてきたけど)原作の面白さは折り紙つきではあり、 次は夏公開とのことなので楽しみに待ちたい。