コロナウィルスが猛威を奮ってる昨今なわけで劇場で観るのはスルーしようかと思っていたのだけど、午前回だからとか翌日が映画の日だとか特に劇場挨拶がない映画館だとかで思いのほか席に空きがあったので公開日に観に行ってきた!
舞台はTVシリーズの終わり、苦難を乗り越え『第三飛行少女隊』が完成を迎えてから4年後。 ムサニも順風満帆・・・といけば良かったのだが、不穏な予告から察せられるようにエンターテインメント業界の栄枯盛衰の荒波に飲まれていた。
ある者は独立しある者は後進を指導する立場になり・・・4年の歳月は否が応でも宮森たちを成長させた。 一人前に仕事をこなして稼げるようになり確固たる立場もできて、でもふと思う「かつての夢に近づけたのだろうか?」という疑問。
TVシリーズでは主役級の5人は新人ゆえの葛藤が描かれていたのだが、立場が変われば変わったなりの苦悩も出てくるのが社会人としてなんとも共感してしまうところ。 特に個人的には3Dの子の人を指導する立場になったときの歯がゆさの描写なんかがわかるわーって感じ。
そして視座が上がったことで嫌でも意識させられるのが「ビジネス」であるということ。 「好きなことに一直線」だけで済むなら話は簡単だが、仕事である以上は金の算段をつけて他者と関わり合ってやっていかなければならない。
ケーキ屋に転身した本田さんに対する「好きなこと仕事にして・・・」で言いよどんでしまうあたりの切なさときたら・・・
宮森が決断するシーンはミュージカル調で見ていて面白くはあったけど、一方でもっとドシリアスに描いて欲しかった気持ちもある。
制作現場のコンフリクトみたいな部分はあらかたTVシリーズで描いてしまったせいもあってか、状況的にはどう考えてもデスマーチ状態な気がするけど描写上はわりとスルッとゴールに達してしまっていて物語の起伏としてはいささか物足りない印象もある。 ただ、ムサニの面々のその後が見られたことは純粋に嬉しいし、色々あっても最後には元気を貰えるあたり良い作品だなーと思う。
きっと円盤発売されてじっくり観れば別の刺さりどころも出てくるんじゃないかと思うわけでBD発売が待ち遠しい。TVシリーズのBDみたいにきっと入るであろうスタッフコメンタリーが楽しみだ。
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EDで流れるfhánaの『星をあつめて』も歌詞が物語を踏まえてる感じがあってグッと来た。