そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

アニメ『はねバド!』感想

4文字タイトルに女子高生部活ものということでノホホンとした萌えアニメかと思えば大間違い。(まあ、彩度を抑えたOP映像からして「何か」を予感させられはしたけど)

緻密な試合の駆け引きや様々な立場のキャラクターの心理描写が巧みで引き込まれてしまった。

スッゴい才能!

スッゴい才能!

努力では超えられない壁があり、才能だけでは到達できない境地がある。


凡人ゆえの歯がゆさ、持つ者なりの苦悩・・・

羽咲の悪魔的な才能の前に自身の存在意義を否定されたような気になってしまう荒垣の心理描写とか、主人公サイドであっても現実的な力量差はどうにもならないシビアさとか、とかく「競技」としてのバドミントンを真正面から描いているのだ。

コート上での相手の特性を加味した戦略の組み立てなんかは面白かったし、荒垣の不器用で痛々しいまでの真っ直ぐさには好感を覚えずにはいられなかった。しっかり問題点を見抜いてケアするコーチも格好良いっすな。

なにより主人公である羽咲の対戦相手の心を折るほどの防御の描写は、普通のスポーツものが志向しがち方向性とは違ってなかなか新鮮味があって面白い。

強いて挙げるとスポーツものとしては『ピンポン』なんかにも似た印象を持ったんだけど、あちらは比較的キャラクターの「エモさ」重視なのに対して、こちらは技巧や戦略なんかの理屈面がしっかり描かれているのが見応えあるなと思う。

若干作品全体の雰囲気に対して芹ヶ谷あたりのコミカルな描写がどうしても浮いている印象になってしまったが、それでも最終戦あたりなんかは見ているこちらが歯を食いしばってしまうような熱い描写で、観終わってみて満足感の高い作品だった。


そんなわけで個人的には結構「これはすごい」と思った作品なんだけど、各所のレビューなんかを読むと原作ファンからは酷評されてたりする模様。

はねバド!(1) (アフタヌーンコミックス)

はねバド!(1) (アフタヌーンコミックス)

確かに1〜2巻を読むと、原作はコミカル寄りだったところをかなりガッツリ変えたようだ。でもまあインターハイ予選で終わる1クールの整合性を考えると個人的にはシリアス寄りに調整したのは妥当なのではと思うけれど。

とかく、原作の方も評判は良さそうなので、どういう展開をしていくのか読み進めていきたい。