『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で強烈なデビューを果たしたスパイダーマンのMCU版新シリーズがついに公開!MCUの今後の展開を追うためにも押さえておかねばなるまいということで、早速観てきた。
世代柄スパイダーマンといえばサム・ライミ版のイメージが強いのだけど、あちらのピーター・パーカーは悩める青年/どこか陰のあるヒーロー像だったのと比べると、今作は空回りする少年/半人前のローカルヒーローといった感じだ。(そういやアメスパの方はちゃんと観れてないままなんだよなー。いつか見なきゃ。)
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存在からしてどうしても陰鬱な方向の行ってしまうキャプテン・アメリカ周辺とのバランスを取ってなのか、ひたすらにコミカルな演出がなされていた。そして話のテンポも小気味良くアクションも迫力があり、過去作のパロディもクスッと笑えて、あっという間の二時間だった。
ラストバトルの舞台が夜で、折角のアクションがちょっと観にくかったのは残念だったけど。
いつかはアベンジャーズに加わり正義のために活躍したいと思いながらも、せいぜい街のコソ泥を捕まえるのがやっと、いつも失敗してばかり。能力を持て余し、普段の生活も冴えない。年齢設定が若返ったこともあって、「子供」「半人前」という側面が非常に強調されていた。
そしてバトルも人死にが出ない、敵もどこか本気で殺しにかかっては来ないような雰囲気があった。目が稼働するスーツのデザインもあって表情豊かで、過去作と比べるとヒーローの葛藤とか陰鬱さからは距離を置いた、コミカルでポップな作品となっていた。
ただ、その裏側で人体を一撃で分解する兵器が出てきたり、一歩間違えば街の人々を巻き添えに殺しかねない状況にあったりと、薄皮一枚挟んだところのシリアスさを臭わせる演出もあった。
漫画版シビルウォーにおけるスパイダーマンの難しい立ち位置を考えると、本作に漂うほのぼのさは後の展開への「溜め」なんじゃないかという気がしてならない。
アメイジング・スパイダーマン:シビル・ウォー (MARVEL)
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敵役であるヴァルチャーのガジェットのギミックもめちゃめちゃ格好良かった!(というかこいつ、ファルコンの上位互換じゃね?)
しかしここ数作ずっと、「アイアンマン/トニー・スタークの正義」の副作用の側面が強調されているのは興味深い。
本当に正直なことを言えば、僕は昔ながらの陰鬱で葛藤あるヒーロー像がどうしようもなく好きなので今作の物語としての部分はちょっと物足りなかったのだけど、先に述べたように映像作品としての出来は間違いなく良かったし、今後の展開を予感させるものがあるわけで観ていて面白い作品だった。
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