X-MENシリーズは過去作多すぎてチェックできてないし、「老人と少女」みたいなモチーフは説教くさいベタな方向にしか転がらなそうであまり気乗りしなかったのだけど、どうも評判が良さそうなので観に行ってみた。
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最強の身体と最高の頭脳も今ではすっかり老いさらばえ、ローガンは脚を悪くしてチンピラとどっこいどっこいの格闘をするし、チャールズは耄けてその危険な力を制御できなくなっていた。
想像の数倍増しに残酷なまでに哀れな「老い」を描いてきたことにかなり驚かせられた。
かつて「人とミュータントの共存する社会」という正義のために戦ってきたチャールズが、その「社会」から追われる身となってしまう。そして最後にその側に残ったのが一匹狼を気取っていたローガンなのが面白い。
ローラ役の子役が実に良かった。スッと通った鼻筋に鋭い目線、ゆるいカーブを描く前髪と、可愛さよりも美しさと逞しさを感じさせられる野犬のような雰囲気が実に役柄に合っていた。
そしてこの手の映画において「子供」という存在は物語を説教くさい方向へ持っていってしまいがちなんだけど、本作はそういったヌルい話ではなかった。
彼女たちは追われる身だし、それを退けたところでその存在が公になればこれからの社会に居場所はない。かつてならともかく、もはやミュータントが誕生しなくなった時代では味方となってくれる者も少ない。
生きるために敵を殺してきたという事実は変わらない。これからも生きていくために力を行使するかもしれない。忘れるでも否定するでもなく、覚悟し受け止めて生きていくしかない。
正義の定義には少なからず「社会のため」というニュアンが含まれる。であるならば、その大多数にとって異物となり、危険と見なされ排除される側となった者たちにとっての正義とは何だろう。
メキシコの施設から脱出してカナダを目指す。この辺の話の筋にも非常に時代性あるものを感じた。
前にテレビでやってた『ウルヴァリン:SAMURAI』は「シルバーサムライのシルバーってそっちかよ!」位しか感想を持てなかったけど、『X-MEN:フューチャー&パスト』あたりは押さえてみようかなって思った。
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