Netflixを契約しているモチベーションの一つが、南米コロンビアの麻薬組織の栄枯盛衰を描いたドラマ『Narcos』を観るためだったりする。マフィアものは昔から好きなジャンルの一つだったけど、予想通りツボにハマってしまった。
豊かな自然と陽気な音楽、貧困と汚職と米国との微妙な関係性。義理と仁義のヤクザとも哀愁漂うイタリアンマフィアとも違う、陽気さと陰惨さのコントラストが実に面白い。
(何か懐かしさを感じると思ったら『EDEN』の中盤あたりの雰囲気に近しいものがある気がすると気付いた。あれも麻薬と中南米マフィアな話だったね。)
- 作者: 遠藤浩輝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/06/07
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Seeson2まではパブロ・エスコバルとDEA(アメリカ麻薬取締局)との戦いが描かれる。
エスコバルはメデジンのマフィア組織を取りまとめ、マイアミへの密輸ルートを確立し世界有数の富豪となる。有り余る財力を活かして貧困層への施しを行うことで人民の支持を得る一方で権力層へも収賄と暴力を使い強大な帝国を築いていく。
金にものを言わせて警察すらも上回る装備を保持し、人民による情報ネットワークによって国家権力すらも敵に回して戦う。生来の用心深さと狡猾さで周囲を出し抜き、カルテルを掌握していく。人懐っこい笑顔とは裏腹の残忍さが本当に恐ろしくて、それでいてピカレスクものとして爽快感もあって面白かった。
やがて本来正義であるはずの側も非道な手段に手を染めるようになる。悪を滅ぼすために別の悪と手を組むジレンマ。DEA・CIA・コロンビア政府・敵対するカルテル・その他有象無象がそれぞれの思惑を抱えたまま戦いは形振り構わぬ様相となっていく。
Seeson2最後でエスコバルは遂に銃弾に倒れる。だが、それで南米の麻薬の闇が消えたわけではない。エスコバルの陰に隠れながら狡猾に勢力を伸ばしていたカリ・カルテルがSeeson3では描かれる。
「カリの紳士」を自称する彼らは合法的な表の顔を持ち、「安全な出口」へと歩みを進めていた。だが、それをただで許す捜査組織ではない。共通の敵であったエスコバルが去った今、カリを舞台に新たな戦いが始まる。
英語が苦手というコンプレックスもあって海外ドラマには色々と手を出しながらも、脱獄ものもゾンビものもどうにもピンと来なくて長続きしなかったのだけど、本作は『LOST』以来久しぶりにグッと来た!どうやらSeeson4まで製作が発表されているらしく、楽しみがまだまだ続きそうで嬉しい。
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