いやー、良かった。
ちゃんと原作に沿って面白さのコアの部分を継承しながら、分かりやすさと映画的な盛り上がりが加わってて、かなり技ありな作品だったように思う。
以前に原作を読んだときの印象のままクトゥルフ神話めいた巨大なタコのようなヘプタボットの容貌やその異様な文字や記法などがきっちり映像化され、何より彼らの言語を解き明かしていくアカデミックな面白さがそのまま受け継がれていた。
映画化にあたって新たに追加されたのが彼らの来訪に戸惑う世界の姿。言葉の解釈ひとつで愚かな選択をし暴走してしまう様は実にこのフェイクニュースの時代らしい演出だった。
ファーストコンタクトものということでこのジャンルの不朽の名作である『コンタクト』を連想した(し、実際「北海道」が出てきたりしたのはそれを意識したものだと思う)が、それと共に人類側のゴタゴタには「subject to」の翻訳で紛糾する『日本のいちばん長い日』を連想してしまった。
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肝心のクライマックスの博士の行動は微妙に物語の趣旨に反する気がしないでもないが、しかしそういうドラマチックさ抜きで映画化することは出来ないし、実際面白かったから良かったと思う。
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しかし、なまじ原作既読で驚きが無いというのもあるし、作品自体が筋がシンプルで作中できっちり説明されてるしで、意外と外から言い加えることって無いなぁ。めっちゃオススメしたいという気持ちはあるんだけども。