そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

「LOOPER / ルーパー」観てきたよー

町山さんが凄くオススメしていたのと、SF・タイムトラベルものがツボということでLOOPER観て来ました。

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古典のSF短編のようなシンプルで大胆なアイディアと収まりの良いストーリー!
去年はSFはちょっと不作だったかなぁという感はあったのだけれど、一気に個人的に好きな映画ランキングの上位に食い込んできた感があります。



そんなわけで以下が大雑把な世界観。



Looper Official Trailer [HD]: Joseph Gordon-Levitt & Bruce Willis Star As Joe


時は近未来2044年。
宙を浮くバイクは発明されているしTK(念動力)能力者も産まれるようになったけれど、だからといって劇的に世の中が変わっているわけでもない小汚いアメリカの片田舎が舞台。

また、もう一つの舞台がそれから30年後の2074年。
タイムマシンが発明され、しかし一般には使用が禁止されている世界。
そして犯罪組織の王、レインメーカーが裏社会を牛耳る世界。

主人公は30年後から送られてくる組織に反する人間を淡々と殺しては処分して報酬を稼ぐルーパーという職業の若者。
ある日未来から送られてきた人間は、なんと30年後の自分だった・・・


という話。




ここまで見て「あぁ、未来の自分と共闘して組織に反抗してく話なのかな?」と早合点していたので、この後の展開にすっかり裏切られる。



主人公のジョーはあくまでも仕事を全うして報酬を得て残り30年間の余命を受け入れることを望む。
一方30年後から来た老ジョーは愛する妻を殺した組織への復讐と、後にレインメーカーとなる子供の殺害することによって未来を改変し、妻との生活を取り戻すことを画策する。

同じ人間でありながらも咬み合わない価値観から協調はしない2人。
この作品の世界観では現在の行動が未来を変化させるため、老ジョーは主人公ジョーを殺すことはできない。
しかし、一方で主人公の行動は「記憶」として筒抜けとなり、経験がある分圧倒的に有利な老ジョー。
ここに世代間格差と対立みたいなもののメタファーをみることもできる。


そして幼い「レインメーカー」が判明し、主人公ジョーと老ジョーの対決、そして主人公ジョーのラストの決断が見ものとなる。
このラストの決断について違和感を持つような感想も見かけるが、ジョーの生い立ちを考えれば僕は納得いく判断だと思う。
復讐と悲劇のループを如何に閉じるか、それがこの作品のテーマとなっている。




シュールで淡々と進むストーリーなのでいわゆるドラマチックさは無いのだけれども、そのぶん発想の秀逸さとストーリーの機能美のようなものを感じられる。

それほど難解な構造ではないので、よく訓練されたSFファン以外でも十分に楽しめる、万人にオススメできる作品だと思う。



これ多分レインメーカーって作中で言われてるような「犯罪王」ではないんだろうなーとか、いろいろ話の裏側に広がりを感じられるのが良い。