そんな今日この頃でして、、、

コード書いたり映画みたり。努力は苦手だから「楽しいこと」を探していきたい。

映画『楽園追放 -Expelled from Paradise-』感想

早速観てきた!

小説版の方の感想でも書いたけど、やはり映像作品向けの物語だなぁという印象。

先に小説版を読んでいたのでネタを知っていたにも関わらずテンポの良い演出と迫力の映像で全く退屈すること無く観ることができた。

主人公がロリ金髪ツイテでCV.釘宮理恵な時点で察しがつくように、作品全体として売れ線を狙った実に「あざとい」作りなんだけど、それが決して嫌らしい感じにならずに綺麗に収まっているあたりに製作陣の技量を感じる。


小説版と比べると明確に異なるのがライバルであるクリスティンの存在。

世界観の説明も兼ねた幼少期のシーンだったり、降下までの準備や終盤の戦闘での展開が省略されている。

これにより「競争社会」要素の表現が少なくなった反面で展開がスピーディーになっている。

尺の都合という面もあるだろうけど、これにより観客は劇中のアンジェラ同様に「あれよあれよ」感を味わうことになる。


そして、物語の端々で惹きつけられるのは、圧倒的なまでに迫力のあるアクションシーン。

ハッキリ言ってパッと見は格好よく見えないロボット「アーハン」なのだけれど、これが画面の中を所狭しと動き回る様は相当に格好が良い。

(というか、Gレコのグリモアなんか見てても思うのだど、丸っこくて野暮ったい感じのデザインの方が動いた時格好良く見える現象ってあるんじゃなかろうか)

中盤の大気圏降下前、宇宙空間での戦闘のスピード感と超長距離射撃の表現なんかはかなりグッと来るものがあったし、終盤の装備を切り替えながらの対多数戦などは結果を知っているながらもハラハラさせられた。


虚淵さん脚本の作品に共通する感想になるのだけれど、観客をコントロールするのが実に上手いなあと思う。

SFというジャンルは説明的になりがちなのだけど、そこを過不足無いさじ加減で分散して配置し、そしてダレないように適切にアクションを挿入していく感じ。

だからといって娯楽一辺倒になりすぎず、観終わった時に確かに感じられるテーマ性がある。


SF要素の話でいうと小説版でも述べたようにちょっと浅いかなと思う部分はあったし、ディーヴァ周辺の描写はもっとあっても良かったかなとも感じた。

その辺をガチでやってくと「人格を複製」とか「リソースカット」とかもっとグロテスクな物語にはなっただろう。

けれど、逆に言えばそこをライトにしたのが「一般ウケ」を逸脱しないさじ加減だったと言えるのかもしれない。

映像的にも3Dの「固さ」を感じるような部分もなく、真に万人にお勧めできる作品の一つになっていると思う。


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強いて文句を言うと、ラストの「歌」はちょっと脱力させられた。

いや、歌自体はすごく良いなと思うんだけど、男声で、あの場面で歌うにはちょっと軽すぎて合わないんじゃないかと思うんだよね。