SF好きを自認するからにはスルーするわけにはいかないと思い、しばらく通勤の間の暇つぶしとして観ていたのがフィリップ・K・ディックの短編を題材とした一話完結のドラマシリーズ『エレクトリック・ドリームズ』。
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宇宙の深淵を覗く窓、ホログラム踊る猥雑な町並み、人に似て非なるモノ・・・目まぐるしく奇妙な光景を写すOP映像には否が応でも期待値を上げられた。
バーチャルの生活を体験するなかでどちらが本物か分からなくなる1話「真生活」や荒廃した世界で人類と敵対する機械と戦っていると思いきや・・・な2話「自動工場」なんかは、なるほどこれぞといった感じである。
攻殻機動隊のような作品でも多用される、現実や自己の認識が歪み自分が何に立脚しているのかを考えさせられるような作風。これは大好物だ。
また、社会による完全な監視のもとの安全を描いた6話の「安全第一」や10話の「よそ者を殺せ」なんかは近年の排他的な世情を皮肉っているかのように見えて示唆的で面白い。
ただ、その他の話はというと今どきの感性からするとあまりにも話に捻りがなさすぎたりモヤっとした終わり方だったりで、正直なところあまり面白いとは感じられなかった。
結果としてはOP映像ほどにはワクワクしない本編が多かったな、というのが素直な感想になってしまう。
まあ、それをいうと彼の作品って元々ハッキリしない感じのものが多くて、『ブレードランナー』や『マイノリティ・リポート』なんかは「よくあの原作から膨らませたな」なんて感心してしまうのだけど。
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同じくアマゾンプライムで『高い城の男』もドラマ化されているんだけど、あれの原作なんかは僕は全くピンと来なかった方なのでどういう姿勢で見るべきな悩ましい。
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