そろそろOculus Questが発売されるって時期にまでなってなんなのだけど、そういえば書いてなかったなーということでOculus Goの感想でも。去年夏頃に買ってました。
性能的にはスマホ装着する簡易VRと同じ3DoF (上下左右の回転軸には対応するけど移動の動きには対応しないやつ)。より高度な6DoFのPSVRもWindows MRも持ってるし、以前に買ったDaydream Viewである程度「3DoFでのVR体験の限界」を知ってる身としてはあえて手を出す必要もないんじゃないかって葛藤もあったんだけど、どうもガジェット好き界隈で評判が良かったので手を出してみたのだった。
で、結論から言ってしまえば十分に手元に置いておく価値はあると思う。専用に作られているだけあってスマホを使用したのものよりヘッドセットの装着感や視界は良いし、VRの先駆者たるOculus社らしくOSの操作感やストアのUIなどをはじめとした体験性はやっぱり一段上なものがある。それに現状のVRコンテンツを「鑑賞する」限りにおいては3DoFで十分なものが多い。後述するがむしろ3DoFの手軽さが武器になる場面もある。
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- 出版社/メーカー: Oculus
- 発売日: 2018/12/20
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2.5〜3万円を「手軽な価格」と表現してしまうのは流石にガジェットオタクの感性が過ぎるかもしれないが個人的にはかなり頑張った値付けだと思う。
(余談だけど同時期に発売したMirage Soloはスタンドアロンかつ6DoFで興味深かったんだけど、コントローラがまんまDaydream Viewのやつでがっかりしてスルー。そこはもっちょい頑張って6DoF&両手コントローラにして欲しかった。)
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ハードウェア
なんと言ってもスタンドアロン型であることは大きい。Windows MRにしろPSVRにしろ狭い日本の住宅環境だと常に出しておくわけにもいかず、いざ遊ぶにもなかなか気合が必要でどうしてもご無沙汰になりがち。DaydreamをはじめとしたスマホVRだって充電してわざわざケース外して装着して・・・とやるのは存外面倒だったりする。この辺がスタンドアロン型だと気が向いたらすぐに使うということができるというのはかなり心理的な障壁が下がる。
高級路線のヘッドセットだとどうやらPSVRのようなネジ止めベルト式がスタンダードになっていってる感じがあるけど、Oculus Goは重量とコストゆえにか頭部への固定はマジックテープでサイズ調整するゴムベルトになっている。
収納スペースが小さくて済むし、後頭部に何もパーツが無いので椅子にどっしり寄りかかったり枕に寝たりして使えるのはむしろメリットだと思う。
意外なほど秀逸だと感じたのがスピーカーが搭載されていることで、単純にイヤホンを用意する手間が無いというのもあるが、これまた寝っ転がって使う際に都合が良かったりする。
付属する片手コントローラのボタン+タッチパッドという構成はDaydream Viewと同等ではあるが、あちらのコントローラは平べったくてしばしば良いポジションを見失ってしまいがちだったのと比べるとOculus Goのものは遥かに使いやすく感じる。トリガーボタンはゲームなんかで活かしやすい。
ソフトウェア
このあたりはやはり先行者ゆえのものなのか、OSやストアのUIも他の機器と比べるとこなれているように感じた。スマホアプリからソフトを購入できるのも気が利いている。
スクリーンショットや録画機能など昨今のコンシューマゲーム機にもあるようなソーシャル共有向けの機能を取り揃えているし、(僕は残念ながら使う機会が無いのだが)友人とのコミュニケーションツールとして使うことを念頭においた機能が用意されているのも面白い。
そして肝心のコンテンツ量に関しても先にOculus RiftやGear VR蓄積があってかDaydreamより良さそうだ。利用者がいれば市場ができてコンテンツが増え、それで新たな利用者が入るのである。
VRを「閲覧する」デバイス
さて、先に述べたようにOculus Goは回転軸は取れるものの移動は取れない3DoFのデバイスである。これが本格的な体感ゲームをやろうとするとやはり微妙なところがあって、例えば名作BeatSaberの類似品のようなアプリが出ていたりするのだが、アプリ自体出来は置いておいてもヘッドセットにしろコントローラにしろ3DoFの動きしか取れないので実際の体の動きとはズレてしまう。それによって、どうにも元の作品のような没入感と気持ち良さは得られなかった。
単純な的当て的なゲームやボードゲーム、ノベルゲームであればそれほど問題にはならないものの、やはりVR体験としては少し欠けたものに思えてしまう。
一方で360度カメラで撮影した風景や(男児としては触れざるを得ないとこだけど)VRアダルト動画のような実写コンテンツは三次元空間上の1点からの撮影である以上はそもそも移動することはできない(これを機械学習で上手いことやる機材も開発されてるらしいけど、普及はまだまだ先だろう)。
おそらく今後VRが一般に普及してくる中で出てくるコンテンツはアーティストのライブをステージ上から眺めたりスポーツの試合をピッチ上で眺めたり、あるいはアイドルの楽屋風景(という体のもの)を眺めるといった実写コンテンツが主力になるんじゃないかと思うわけで、そういったものを閲覧してもらう上ではOculus Goのような3DoFデバイスで十分なのかもしれない。
RICOH THETA V 360度カメラ 全天球 910725 メタリックグレー
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(余談だけど360度カメラ手を出してみたい気持ちと出不精だからそもそも撮る機会無いんだよなーって気持ちがせめぎ合ってる)
いわゆるVRの本筋とは少しずれるが、Netflixアプリのドライブモード機能なんかは秀逸で個人的にはかなり愛用している。PSVRのバーチャルスクリーン機能のように仮想的なスクリーンを前方に表示するのではあるが、あちらのような完全固定ではなく頭の動きに少しディレイかけて追従するようなものになっていて、これが寝ながら鑑賞するとき非常に具合が良い。
また、そういった用途でいうと3DoFコントローラもむしろ都合が良かったりする。ヘッドセット等のカメラに写して位置取りする必要がある6DoFコントローラと違って純粋に角度センサーのみなので、例えば布団の中で手首だけで動かしてもカーソルを操作することができる。
寝ながらPCをリモート操作
最後に個人的にこれはキラーアプリだなと思っているVirtual Desktopを紹介。
Windows機でホストアプリを動作させておくことによってWifiの繋がったOculus GoからPCをリモート操作することができる。
例えば(うちの場合母艦となるSurface Pro3の性能とか有線LAN使えないとかいった問題でちょっと実用には足りないけど)Oculusでは単体では閲覧できないNasneの録画なんかもこれで観ることができるし、それほど激しくないものであればゲームだってできるだろう。
そんな感じで私感ではあるが、Oculus GoはVRを「体験」するには不足だが「閲覧」するには必要十分というのが個人的な感想となる。Oculus Questも発売になったわけだけど、必ずしも大は小を兼ねるわけではない部分もあり、個人的にはOculus Goにもそれなりに価値はあるんじゃないかなーと思うところ。
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それはそうと、Oculus Questもばっちりポチりました。ケーブルレスでBeat Saberやるの楽しみ。
【正規輸入品】Oculus Quest (オキュラス クエスト)- 64GB
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