PSYCHO-PASSもついに最終回を迎えたので感想でも。
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本作は大雑把に言えば「行き過ぎたテクノロジーによる人間性の抑圧」という古典的なサイバーパンクのようなテーマ性だった。
この手のサイバーパンクは常として「比較的現代的な感覚性を備えた主人公が管理社会の抑圧に異を唱え、最後はテクノロジーを拒絶して自然へ回帰する」というプロットを辿ってきた。
例えばブレードランナーやマイノリティ・リポートなどがそれにあたる。
そもこの手のジャンルというのは反共産主義的な意味合いが強く、その中で共産主義の脅威に対してその非人間性を否定するロジックとして自然の尊さを用いてきたような側面がある。
テクノロジーによる抑圧からの自然回帰というのは、このジャンルにおけるある種の様式美、収まりの良いストーリーテリングとなっている。
しかし、この様式美にも食傷気味になってきた感が否めない。
共産主義の脅威は薄れ「管理社会の恐怖」は説得力を失ったし、一方でかつて古典SFが執筆された時代とは異なりテクノロジーを否定さえできても完全に拒絶することなどできない。回帰できる「自然」など存在しえないのだ。
さて、そのあたりを踏まえてPSYCHO-PASSはどういうオチをつけてくるかなというのを不安半分楽しみ半分で観ていたのだが、結果は「テクノロジーに疑問を感じつつも許容して生きていく」という「まあそのあたりですよね」という感じで、個人的にはベタは外したけれど面白みには欠けたかなぁという感想。
それ以前に登場人物達に共感できるポイントが少なくストーリーへの没入度があまり深くなかったというのもあり、作品全体としては「そこそこ」な印象となってしまった。
ちなみにこの辺りの話で個人的に特異だと思っているのは攻殻機動隊(の特に最初の映画が顕著)で、肉体は義体化してもはやテクノロジー抜きでは生きられず、また人格すらも変質しながら、それでも「ネットは広大だわ・・・」とテクノロジーの上に希望を見出していく締め方が凄く好きだったりする。
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多分エンジニア脳だからかな。