『バーナード嬢曰く。』でもネタになっていたけど、いやー、評判通りの難解さだった。
- 作者: グレッグ・イーガン,山岸真
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: 文庫
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『バーナード嬢曰く。』でもネタになっていたけど、いやー、評判通りの難解さだった。
うってつけのお題だったので乗ってみる。ガジェットオタク的には買って手元にあるだけで割と「よかった」が満たされてしまう部分はあるんだけど、今回はお題の趣旨に従って特に満足度の高かったものを抽出。
自分の中で一番の満足度といえばこれ。Kindleの積読を消化したりNasneの録画やNetflixを観たりとかなり活躍している。最近じゃむしろ長風呂し過ぎな感じも。
運動しなきゃなーと思いつつ続かないし、なんだかんだ夜更かしして寝不足になったりしがちな人間なんだけど、継続した記録として突きつけられる「何とかしないとな」と思わせられるのが良いですな。
だいぶ前にKickstarterでBackしたものなんで今年買ったうちに入るかは微妙だけど。仕事もプライベートも画面見てばっかなんで、寝る前にガーッとかけると本当に癒やされる。というかそのまま寝落ちしがち。
ガジェット以外のところだと、まさに絶賛放送中の『宝石の国』の漫画はめちゃくちゃ面白くて買ってよかったと思っている。
どう面白いのかを説明してしまうとネタバレになってしまうので避けるが、とかく少女漫画っぽい雰囲気で敬遠してしまう(かくいう僕もそのクチだった)のは勿体無い。
増殖し遂には人の生存権を脅かすほどになった横浜駅、というシュール極まりないネタながら、非常に読んでいて面白い冒険譚だった。
そういえば続編も読んだんだけど、まだ感想書いてなかった。
大きなライフル型ガンコンでお馴染み『Farpoint』。とかく自分の身体と同期するという体験性は格別だった。
思いついたアクションは大体できてそれっぽいリアクションが返ってくる、という抜群のロールプレイング性!
他のゲームも積んでるんでまだ手を出せてないけど、DLCも楽しみ。
今年はSwitchをはじめとしてAIスピーカーもあるしポメラも買ったし、まだ書いてないとこだとMacbook Proも新調したりと何かとガジェット出費が多かったけど、現状で満足度の高さでいうとこんな感じになるだろうか。
ゲームは今ニーアオートマタの二週目で、これもなかなか楽しいのだけど、ちゃんと三周しないでどうこういうのも無粋だよなーってことで除外。スプラトゥーンも楽しいは楽しいのだけど、流石にちょっと情熱は冷めてきた感じがある。ゼノブレイド2は無印のは凄く楽しかったんだけど、今回はゴリゴリのJRPGテイストがちょっと苦手で進んでない。
先日公開されたアニゴジこと『GODZILLA 怪獣惑星』の前日譚にあたる、世界各地に出没するようになった怪獣と遭遇した者たちへのインタビューという形式をとった小説。人類がいかにして怪獣と戦い敗北していったか、なぜエクシフ・ビルサルドという2つの異星文明と運命を共にすることになったのかという経緯が描かれる。
作者名に見覚えがあると思ったら『楽園残響』の人で、あの作品のSFの感性には惹かれるところがあったので本作にもそれなりに期待感をもっていたのだが、その予想を十分に上回って面白かった。
続きを読む方々から聞こえる評判に、これはチェックしておかねばなるまいということで読んでみた。
初っぱなから難読漢字による当て字を多用しながらのブラック企業をもじった異形の生物たちの生態の描写に驚かされる。ただこれが短期記憶が優れない部類の人間としてはユーモアは理解できるけれど面白さを実感するよりも読みにくさによるストレスの方が勝って、正直なところ最初は「これは僕には合わないやつかもな」と思ってしまった。
そんなわけで若干期待値低めの滑り出しだったのだけど、読み進めるうちに一見関係無さそうだった章と章の間の共通項が見え始め、ほとんど読み飛ばすような感じだった断章の重要さに気づき始めると途端に舞台裏の人類の壮大な歴史が見え隠れして面白くなってきた。ナノマシン、テラフォーミング、異種知性体・・・形質も文明も変容させながらしぶとく生きのびる人々。
異種知性体が惑星を支配し人が虫けらのように扱われる世界という点で、なるほどBLAMEとも近いものを感じる。
本作には用語などを説明した『隔世遺傳』も出版されている。これを読んで自分の認識が合っていたか、理解に取りこぼしは無かったか、いわば「答え合わせ」をすることができる。これで作品を二度楽しめるのも本作の魅力かもしれない。
映画版はかなりアレンジの入った作り、前のアンソロジーはスピンオフ的な作品集であったのに対し、本作は原作の展開を忠実になぞったものとなっている。
少年との旅から始まり、生電社への潜入とシボとの奇妙な共闘、そして遙かに伸びる柱廊を登り世界を隔てる超構造体を穿つまでが描かれる。(原作でいうと新装版の1巻~2巻前半まで)
原作の雰囲気に合わせてか、著者である冲方氏のマルドゥックシリーズのイメージからするとかなり抑えめで淡々とした文体に最初は正直ちょっと乗りにくさも感じた。ただこれも話が進むごとに段々と調子が馴染んでくる。
小説という情報密度の高い媒体にしてこの進み具合から察することができるように、話の展開自体は原作に沿いながらも、そこにかなり著者による解釈が介在している。原作ではとかく黙して語らぬ霧亥の内面が描かれ、あまりにさり気なすぎて読み飛ばしてしまいそうな要素に意味が付加される。ああなるほどそういう風な見方もあるかという箇所もあれば、いやそれはちょっと違う気がするなという場所もあるが、少なくとも筋を知っている物語でありながらも飽きることは無かった。
個人的に特にグッと来たのがシボ女史への視点であり、己の身すら改造するサイバーパンクを体現したようなキャラクターでありながら、それでいてその本質に最も人間らしさを宿しているという描写にはハッとさせられた。このあたりのキャラクター性の肉厚さにはなるほどマルドゥックシリーズと通ずるものを感じる。
サブタイトルからしてなんとも対になるものが出来そうな感じだが、果たしてこれはシリーズ化してくのだろうか。個人的には東亜重工あたりなんかは他人の解釈ではどのように写るのか、是非とも読んでみたいところだが。
BLAME!の延々と続く都市構造物を舞台としたアンソロジー小説集。BLAME!という作品は「背景が主役」などと評されたりするが、このアンソロジーでもそれを反映してか全ての作品が本編の登場人物達が直接関わることのない別の場所で展開する物語となっている。
BLAME! THE ANTHOLOGY (ハヤカワ文庫JA)
誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-101)
春から放映のアニメ『正解するカド』に連動した、国内外の“ファーストコンタクト”ものを集めた短編集。アニメの方はというと、先に『シン・ゴジラ』が念頭にあって観てしまうと政府やらキャラクターやらの造形がチャチく見えてしまってどうにも入り込めず途中で止まってしまっているんだけど・・・それはそれとして“ファーストコンタクト”は好きなテーマの一つだったりする。
正解するカド Blu-ray Disc BOX 1(完全生産限定版)
外国語を学んでいると、ある単語が日本語のそれからは全く想像もつかない別のニュアンスを含んでいたりして、なぜそうなったのか文化的な背景や歴史的経緯を考察するのが面白い。それが異種知性体ともなれば肉体の形質すら異なるわけで、コミュニケーションの方法からして空想の翼を羽ばたかせる余地がある。
「面白さ」には多分に「驚き」の要素が含まれるわけで、そういった点においてこの種のテーマには高いポテンシャルがあると思うのだ。
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