続編タイトルということで敬遠していたんだけど、どうも評判が良さそうなので手を出してみたらものすんごく良かった。廃墟・ロボット・ゴシック・日本刀と正にフェチのハッピーセット!
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2017/02/23
- メディア: Video Game
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人が去った後の荒廃した地球。植物に覆われた都市、砂に侵された団地、海に没したビル群・・・そんなポストアポカリプスな光景の中を自由自在に探索できる。
ゼルダbotwと比べてしまうと流石に「見えない壁」を感じてしまう場面は多いものの、それでもオープンワールドらしくかなり自由な移動が可能だ。崩れかけた建物の屋上を飛び超えたり、ひび割れた道路を野生動物に乗って駆け回ったりできるのは単純に楽しい。
ゴシック調とでもいうべき黒衣をまとうアンドロイド達。その優美な出で立ちと無骨な武器とのアンバランスな組み合わせ自体がフェティッシュである。
そしてアクションが実に格好良い!回避ボタンで敵の攻撃を躱して華麗にコンボを決める爽快感。実は回避タイミングは結構緩いし相棒やらポッドやらの加勢があるのでゲームバランス的には簡単な部類なんじゃないかとは思うが、とにかくポチポチ押してるだけでキャラクターがスタイリッシュに動いてくれてる気持ちよさよ。
強いて言えば合体変形メカ飛行ユニットを限られた場面だけではなくもっと自由にマップ上で動かしてみたかった。
ゲーム性という話でいうと本筋の3Dアクション以外にも横スクロールアクション、縦シューに横シュー、見下ろし視点と、場面場面で様々なゲーム形態を取り入れているのも面白い。
本作は後述するように「周回」を必要とするゲームではあるが、二周目の9Sはハッキング能力を主体とすることで、同じストーリーをなぞりながらも異なる遊び心地を味わえる。ハッキングそのものに関してはやや単調な印象ではあるが、あれはあれでもっと難しくされても厳しいので仕方ないか。
本作を一言で表現するなら「まがいもの」達が己の存在意義を求める物語となるだろう。これはSFとしては割とありがちなテーマ設定ではあるが、それを多重的に展開していくところに面白みがある。人に似せて作られたアンドロイド、人を模倣する機械生命・・・
そしてそれをゲームの周回構造として上手く溶け込ませてあるあたりが技ありである。一周目はベタな物語としながら二周目にその裏舞台を見せ、その上で三周目で真相が明らかになる。「周回」とはいうものの完全にそこまで含めて一本の物語であり、かなり満足感あるボリュームとなっている。
また脚本ということでいえば物語の脇を飾るクエストもなかなかに皮肉が効いている。個人的には『お城の宝探し』がお気に入り。
そんな感じにビジュアル・BGM・システム・脚本と全てにおいてフェチ全部のせで、それでいて破綻していないものだから恐ろしい。それらを邪魔しない、しかし歯ごたえは感じられるゲームバランスも実に絶妙であった。世間の高評価も納得である。(うっかり勢いでEエンドの「セーブデータを消す」を選んじゃったけど、もっといろんな武器の組み合わせのアクションで遊びたかったし、アーカイブ読みたかった・・・ちょっと後悔)
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本作は単体として十分に楽しめるが、やっぱり単語として出てくる要素が気になるし、前作であるところの『ニーアレプリカント』もいつかはやっておきたいなあ。