そろそろアニゴジの二作目が公開されるということで、それに先駆けて出版された小説2作目『プロジェクト・メカゴジラ』を読んでみた。
- 作者: 大樹連司(ニトロプラス),虚淵玄(ニトロプラス)
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/04/25
- メディア: 文庫
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前作に続いて人類が地球を放棄するまでの記録インタビューの体裁を取り、人類の敗北が決定的なものとしてしまったメカゴジラ計画の失敗にまつわる顛末や唯一の「勝利」とされたオペレーション・エターナルライトの真実、そして地球に残された人々の存在が明かされる。
地球人類とエクシフ・ビサルド――人型生命の共同戦線は持てる総力を結集し、対ゴジラへの最終決戦兵器としてメカゴジラを建造する計画を実行した。
それは裏を返せば、世界各地の戦場からリソースが削られたことを意味する。近未来兵器は故障により数を減らし、戦線は疲弊していった。人々は苦肉の策として時に環境を犠牲にし、時に敵であった怪獣を飼いならしながら、地球規模の消耗戦を繰り広げていったのだった。
・・・そして、アニゴジ一作目でも触れられていたように、メカゴジラは起動に失敗し、人類は地球を捨てざるを得なくなる。
このあたりの極限状態におかれた人々がガイガンに感情移入したりメカゴジラ計画や架空の物語に縋ったりする感じが戦時の描写として非常に面白かった。また、各所に配置された小ネタにもクスッと笑わせられ。美少女戦車隊はやはりガルパンだろうか?
メカゴジラも、単に機械じかけの怪獣というだけでなく、ナノメタルという超素材によって「決戦兵器」としての色付けがされている。気になるのが、このナノメタルの「自己増殖」するという描写だ。地球を覆うレベルにまで繁栄したゴジラの眷属の性質とずいぶんと似ている気がする。なにか物語的な仕掛けが隠されているのではないかと勘ぐってしまう。
さて、そのメカゴジラであるが、冒頭で述べたように結局は起動に失敗して日の目を見ることは無かった。だが、本作では失敗による影響の話はでてきても、肝心の「なぜ失敗したのか」の部分は描写されていない。逆に言えばそこが今度の二作目の鍵になってくるのだろう。
また、本作の最後の描写からするにモスラも出て来るに違いないが、果たしてどういった形で絡んでくるのか楽しみである。「残された人々」の末裔だから軋轢なんかも起こるんだろうなあ。
そんなこんなで今回も色々と情報を盛り込みつつも旧作のネタいっぱい盛り込まれた意欲作だった。前作の感じからして映画は駆け足気味の作りになると思われるので、予習する意味でも読んでおく価値はあるんじゃなかろうか。僕は旧作はそこまで詳しくないのでネタを拾いきれないのが残念であるが・・・
- 作者: 大樹連司(ニトロプラス),虚淵玄(ニトロプラス)
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/04/25
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