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アニゴジ2こと『GODZILLA 決戦機動増殖都市』感想

 アニゴジ二作目、『GODZILLA 決戦機動増殖都市』が公開されたので観てきた!

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 ゴジラ・アースに敗れた降下部隊の残党は、地球人類の末裔であるフツアの民に捕らわれる。そこで彼らは、かつて対ゴジラ兵器メカゴジラの素材として開発され、真価を発揮する前に失われたナノメタルを発見する。かつてゴジラに破壊されたメカゴジラの残骸は密かに増殖を続け、無人都市と化していたのだった。部隊はメカゴジラシティを要塞としてゴジラを迎え撃つことを決意する。


 最近の風潮もあってだろうか、今作もかなり駆け足な展開。それ自体は決して悪いことではないのだが、今回はそれが展開に唐突さやご都合主義な印象を与えてしまっているように感じられてしまった。物語を駆動させるためとはいえ、ナノメタルとの融合を目撃される場面とかその後の諍いとか、展開を急ぎすぎたのか茶番感が・・・。後の展開を見る限りもっとスルッと融合できるはずだし、肝心の融合した価値をもっと劇中で示すべきだったと思う。民族性の違いも二世代同居しておいて今更かよって感じだ。

 で、そんな時間を惜しむような話運びをしておきながら、一方で後半になってくると「イケると思ったけどやっぱダメでした」的な展開がやたらと目につく。それが特に物語上で効果的に使われているでもないあたりがどうにもモヤっとしてしまった。


 小説の方ではメカゴジラの失敗の核心は意図的に語られなかったものと思っていたのだが、単純に間に合わなかっただけなのかというガッカリ感もあったし、ゴジラとの対決も突き詰めれば前作をスケールアップして再演しただけに過ぎないこともちょっと残念であった。SF者としてはもっとこう、ナノメタルまわりに色々仕込めたんじゃないかと思うんだ。

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 そんな感じで作劇上の不満点は色々あったのだが、ナノマシンが主人を失ったまま独自に進化して都市構造を形成するに至るという『BLAME!』じみた設定やビサルド人にとっての「人間」の定義、ビサルドの目的のためなら個の犠牲をいとわない姿勢やその対極にあるエクシフもまた全体主義的な思想であるというディストピア感(こっちは『彗星のガルガンティア』を彷彿とさせられた)には正直かなりワクワクさせられた。

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 満を持しての「あいつ」の名の登場については正直「うん、知ってた」という感じではあるが、次作をどういう形で展開してどう決着をつけるのかは全く想像がつかず楽しみである。


 改めて振り返ると、従来的な怪獣映画を(とりわけメカゴジラによる怪獣対決)好む層からすると肩透かしの形になっているが、SFアニメとしてはそれなりに楽しみどころのある作品だったと思う。今のところ物語的に「やたら好戦的な割に肝心のところで働かないウザ主人公」感があるので、次作ではそのあたりの挽回を期待したい。